2大関ともに1敗キープ!豊昇龍が土俵際逆転 8場所ぶりVへ琴桜との“一騎打ち”だ
◇大相撲九州場所13日目(2024年11月22日 福岡国際センター) 豊昇龍と琴桜、両大関のマッチレースになった。豊昇龍は大の里との大関対決をとったりで制し、琴桜は平幕・隆の勝を上手投げで下し、ともに1敗を守った。千秋楽で琴桜と豊昇龍の対戦が予想されるため、優勝争いは事実上2大関に絞られた。 叔父の元横綱・朝青龍を思わせる強靱(きょうじん)な足腰が生きた。押し込まれた土俵際、とっさに探った左まわしは逃したが、大の里の右腕はつかまえた。流れる体で引っ張り込んでのとったり。土俵下へ突っ込んだ大の里に対し、豊昇龍は左足一本で残した。「全く覚えてない。落ち着くことができました」。立ち合い前、大の里コールが起きたが、動じなかった。支えにしたのがかすかに届いた豊昇龍コール。「その中でもホウショウリュ~と聞こえた」。強い心で踏み込んだ。 高田川審判長(元関脇・安芸乃島)は「手を引っ張ってしぶとい。執念じゃないか」と目を見張る。残せた要因を「前へ出る気持ちがあったから、出られた」と指摘。立ち合いで押し込めたアドバンテージが、逆転につながった。 大の里には先場所14日目に完敗し、回数で先行される2度目の優勝を許した。1学年下で高校時代からライバル。以前は「負けたくない」と敵対心を隠さなかったが、この日は「先輩大関というのはなかった。同じ大関として頑張っている」と大人の顔を見せた。 関脇で初優勝した昨年名古屋場所以来となる自己最多タイの12勝目。取組後は何度も「集中」を繰り返した。師匠の立浪親方(元小結・旭豊)は5日目に部屋のインスタグラムを通じ「マスコミ関係者を含む稽古見学お断り」を打ち出した。「立浪のカーテン」は、優勝争いを予感しての決断で「調子がよかった。部屋ではゆっくりさせたかった。こういう結果になってくればピリピリすると思った」。措置は千秋楽まで継続するとし、8場所ぶりの優勝を全力サポートする。