入江陵介、スポーツキャスターに意欲「小さいときの夢がアナウンサーだった」 引退後の変化やセカンドキャリア語る
■「選手に寄り添って思いを伝えていければ」 理想のキャスター像は松田丈志 メディアの仕事という部分では「小さいときの夢がアナウンサーだったんです」と述べ、「将来的にはスポーツキャスターのような仕事もやってみたいという夢は持っていました。でもやりたいと思ってもできる仕事ではないので、まずは自分自身がしっかりと競技に向き合って、結果を残さなければ……という思いは強かったです」と現役時代から漠然とした思いはあったという。 水泳は言わずもがな、ほかのスポーツにも興味があるという入江。「スポーツって各競技に物語があって、観戦するのが好きなんです。いままではやっぱり水泳がメインでしたが、これからはいろいろなスポーツを観て、その魅力を知ってもらいたいという思いが強いです。僕はラグビー選手の友達が多くて、元日本代表の福岡堅樹さんなども仲良くて、この間もご飯に行ったりしたのですが、アスリートならではの悩みやしんどいことというのは共有しやすいので、選手に寄り添って思いを伝えていければと思っています」。 理想のキャスター像は、競泳の先輩である松田丈志。「とても仲良くさせていただいているのですが、JOCや日本水泳連盟の仕事はもちろん、メディアの仕事もされていて、とても多方面で活躍されている。僕も松田さんのような存在になれればなと目標にしています」。
バラエティも「オファーをいただければチャレンジはしたい」
もう一つ、18年間代表として過ごしてきた日本競泳界への思いも強い。「自分に何ができるかというのはまだ分からないのですが……」と前置きしつつ「自分が練習メニューを作るなどのコーチ業は多分やらないと思いますが、試合に向かうモチベーションや、自分の失敗談、成功談を伝えることはできるので、それがメディアを通してキャスター的な仕事になるのか、小さい子への水泳教室などになるのかは分かりませんが、いろいろなことはしていきたいです」と何かしらの形で水泳界に恩返しすることを誓っていた。 会見ではバラエティ番組などへの興味も語っていたが、入江は「ほどほどに」と笑うと「タレントとしては絶対やっていけないと思いますし、僕はスポーツ専門にやってきた人間なので、オファーをいただければチャレンジはしたいと思いますが、そちらに重心を置くということはないですね」とあくまで軸は水泳を含めたスポーツだという。 パリ五輪には、現役時代に切磋琢磨した選手たちをはじめ入江にとってもなじみの深い選手たちが参加する。 「これまでオリンピックをゆっくりと観戦したことがないので、まずいろいろなスポーツを観たいです。水泳はもちろんいろいろなスポーツの魅力を知り、競技を行っている選手を知り、メダルを獲得したならば、一緒に喜びたいです」。 入江自身「これからがセカンドキャリアのスタート」と位置づけている現在。作り上げていく未来については「正直すごく不安もあります」と率直な胸の内を明かすが、一方で「いままでやったことないことにチャレンジできると思うので、好きだと思うことはもちろんですが、苦手だと思うことも積極的にやることで、なにか新しいことが見えてくるかもしれない。懸命に努力することで、人の心は動かせると思うので、いまはいろいろなことに挑戦してしっかりと頑張っていきたいです」と意気込みを語っていた。 ■入江陵介 1990年1月24日生まれ、大阪府出身。イトマン東進所属。高校1年時、高校総体200m背泳ぎで優勝をして以来、数多くの記録を打ち立て、日本競泳界を代表する選手として活躍。2012年、ロンドン五輪で銀メダルを含む3つのメダルを獲得。2016年、第92回日本選手権の200m背泳ぎにおいて史上初の10連覇を達成した。2021年、東京五輪に出場し、4大会連続五輪出場を果たした。競泳日本選手団の主将も務めた。今年4月3日に会見を開き、引退を発表した。 衣装:ZEGNA
磯部正和