「常勝軍団」復活の為にも負けられないソフトバンク・小久保監督(右)。左は王球団会長

　プロ野球の日本シリーズが26日から開幕する。パ王者のソフトバンクはCSファイナルステージを無傷の4勝（アドバンテージの1勝を含む）で突破し、4年ぶりの頂点に圧倒的な戦力で臨む。一方、セ3位から7年ぶりのCS下克上で勢いづくDeNAをどのように攻略するのか。本紙評論家の元ソフトバンク（当時ダイエー）・加藤伸一氏が古巣の頂上決戦の行方を鋭い切り口もまじえながら、大胆に予想した。 【インハイアウトロー・加藤伸一】どこを探してもソフトバンクに死角は見当たらない。DeNAと比べて走攻守の全てに上回っている。 　ホークス打線はとにかく破壊力抜群だ。山川、近藤といった主力はもちろん、栗原や周東、今宮ら全員の調子がいい。セ・リーグ優勝の巨人がCSファイナルステージまでの間隔が空き過ぎた影響もあってファーストステージから勝ち上がってきたDeNAに敗退したにもかかわらず、ソフトバンクは1度も負けることなく2位の日本ハムに3連勝を飾った。この強さは本物といえる。 　投手陣も盤石だ。先発陣は有原、モイネロ、スチュワートの3本柱はしっかりしている上、残り2枠を大津、石川らで争うことになるだろう。藤井、松本裕、和田は故障で出場は絶望的だが、そこまで大きな戦力ダウンにはならない。いざとなればモイネロ、大津を経験豊富なリリーフに回すこともできる。まさに横綱相撲でソフトバンクが4勝1敗どころか、4勝0敗で日本一になっても何ら不思議ではない。 　一方で、DeNAに勝機があるとすれば、正攻法ではなく、周囲を驚かせるような奇襲策に打って出る必要がありそうだ。エース・東のケガによる不在は三浦ベイにとって計り知れない痛手。第1戦と第2戦の先発投手は決めても、第3戦以降はそこまでの結果を踏まえて、調子のいい投手からどんどん登板させていく投手リレーで総力戦に持ち込むぐらい、思い切ったことをやるとかね。 　ベイ打線がホークス投手陣を攻略するのは一筋縄ではいきそうもない。阪神、巨人を相手にCSを勝ち抜いてきたが、ほとんどロースコアの僅差での勝利で決して打線が爆発したものはではなかった。やはり4番・オースティンが鍵となる。CSではここぞの1本を放ってチームを勝利に導いてきた助っ人大砲。佐野が低調なだけにより期待が高まる。とにかくDeNAは先取点を奪えるかがポイントとなる。 　シリーズの予想はズバリ、4勝1敗でソフトバンクに軍配が上がるとみている。（本紙評論家）