佐々木朗希 ロッテと契約合意 自費キャンプ回避も心配されるチームに与える影響「小さくない代償」とは
注目を集めていた佐々木朗希の契約更改交渉が決着した。ロッテ球団は1月26日に佐々木と今季の契約に合意したと発表した。12球団でも大トリとなった今回の交渉、長引いた背景には自身が求めるMLB挑戦の時期をめぐって、球団とのやりとりがあったとも言われている。 【動画】日本人最速の165キロを記録!凄みを増した佐々木朗希の広島戦のピッチングの映像 佐々木は昨季、15試合の登板で7勝4敗、防御率1・78をマーク。春先にはWBCに侍ジャパンの一員として参加、160キロ超えの快投でその名を世界にとどろかせた。一方、シーズン中は右手のまめや肉離れの影響でチームを離れる時期もあり、課題とされるフィジカル面で不安定さも露呈、求められるシーズン通してのパフォーマンスは昨年も達成できなかった。 また今回、球団との交渉が長引いたことや選手会から脱退していたことも明らかになったことを受け、ファンからもSNS上では「何をしたいのか分からない」「良い印象がなくなってしまった」と困惑の声も。 チームに与える影響も心配される。今季でプロ5年目、入団時から現在の吉井理人監督が投手コーチ時代から徹底的な「佐々木朗希プロジェクト」が組まれ、1年目は実戦登板をさせないなど、順調な成長曲線を描くために、球団が慎重に育成に取り組んできたことは知られている。 大谷翔平並みの肉体を誇る佐々木だが、昨年も左わき腹の肉離れを起こし、2か月近く離脱を強いられるなど、現在もまだ160キロ超えの投球を常時続けられるほどの強靭な肉体には至っていない。 一方、球団が手塩にかけて育ててきたエースがベストピッチングできる環境を整えるために、ローテーションが変更になったり、多少の犠牲を強いられた投手の存在も陰にはいたとされる。 すべては球界の至宝ともいわれる佐々木の才能を生かすためにチーム全体でアシストしてきたが、チームの和にも影響を及ぼす可能性はある。 メジャー挑戦には「25歳ルール」もある。25歳未満の海外選手とはマイナー契約となり、契約金、年俸含め年間500万ドル(約7億2500万円)と抑えられるとあって、この点も球団経営の観点からは大事な焦点となりそうだ。 まずは球団との契約が締結したことで、2024シーズンも幕張で腕を振ることになった。ファンが何より求めているのは、チームを勝たせるピッチングだろう。規定投球回に達した上で年間離脱することなく、最多勝争いを含む圧倒的なパフォーマンスを残せるか。 昨年はリーグ2位と躍進したチームで目指す2005年以来の優勝に向けて、剛腕の力は欠かせない。キャリアハイの成績を期待したい。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]