真田家の武士も腕を磨いた場、初稽古に臨む剣士の決意は… 江戸時代から残る松代藩「旧文武学校」
長野市松代町松代の国史跡「旧文武学校」で8日、地元の剣道クラブの小中学生25人が新年恒例の初稽古をした。江戸時代に松代藩の藩校だった趣のある建物で気持ちを新たに竹刀を振るい、元気なかけ声や床を踏み込む力強い音を響かせた。 【写真】真田氏が治めた松代藩の藩校だった「旧文武学校」。江戸時代の武士も武芸を磨いた場所で、冷たい空気と板張りをものともせず素振りをする小学生剣士たち
松代地区育成会剣道クラブと篠ノ井剣友会が開き、15回目。子どもたちは冷たい外気の入る板張りの槍術(そうじゅつ)所で、素足を真っ赤にしながら稽古に臨んだ。「めーん」「1、2、3」と大きなかけ声で素振りをし、指導員の胸を借りて面や胴を打ち込んだ。
稽古前には剣術所や弓術所の床を磨いた。同クラブ主将で松代小学校5年の小島優誠(ゆうせい)君(10)が「松代町の侍の一人として、町に残る貴重な文化財について学び、保護活動を行う」と宣誓。取材に「面と応用技を磨き、チームとして大会で優勝したい」と抱負を語った。
同クラブの青木聡邦(としくに)総監督(65)は「寒い中で掃除や稽古をする経験が自分の中で自信になってくる。周りに優しい人間になるようしっかり学んでほしい」と呼びかけた。