叔母が進学費用「500万円」出してくれるそうです。親じゃないので「贈与税」はかかりますか? 非課税にすることもできるのでしょうか…?
「扶養義務者に出してもらう進学費用に贈与税はかからない」ということを、知っている人は多いのではないでしょうか。子どもを育てる責任のある親が、その子どもの学費を出すのは当然だからですね。ただ、これが親ではなく「叔母」だった場合はどう取り扱われるのでしょうか。本記事で解説します。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
贈与税がかからないケース
人から人へ財産の移転があった場合には、原則として全ての財産に対して贈与税がかかります。ただし、その財産の性質や贈与の目的などから見て、贈与税を課することが適さないと認められるケースに対しては、贈与税がかからないことになっています。 そのケースの中に、「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」があります。よって、扶養義務者が出した進学費用に対して贈与税はかかりません。 なお、教育費とは教育上通常必要と認められる学費、教材費、文具費などをいい、義務教育費に限定されません。
叔母は扶養義務者なのか?
次は、叔母が扶養義務者に該当するのか否かです。これで叔母が出した進学費用に贈与税がかかるか否かが決まります。結論を先にいうと、叔母は基本的に扶養義務者に該当しません。 民法第877条に定められている扶養義務者は、以下の通りとなっています。 ・配偶者 ・直系血族及び兄弟姉妹 ・家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった3親等内の親族 ・3親等内の親族で生計を一にしている人 叔母は3親等内の親族ではあるので、家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となっている場合、生計を同じくして生活している場合には扶養義務者に該当しますが、それ以外の関係性であれば扶養義務者になりません。 つまり、単に生活を別にしている叔母から進学費用を出してもらったのであれば、贈与税の対象になるということです。
500万円にかかる贈与税
叔母に出してもらった進学費用500万円にかかる贈与税を計算してみましょう。 (500万円-基礎控除110万円)×20%-25万円=53万円 なんと、500万円の1割を超える53万円の贈与税がかかってしまいます。 ちなみに、贈与税率には「一般税率」と「特例税率」の2パターンが設けられています。両親や祖父母などの直系尊属からの贈与に対しては、一般税率より優遇された特例税率が適用されますが、叔母は直系尊属ではないことから一般税率となります。