「教育次第で人は鬼になる」。敵を倒し国のために死ぬことは素晴らしいことだと信じていた…元イスラエル兵が明かしたガザの惨状
元イスラエル兵のダニー・ネフセタイさん(67)=埼玉県=の講演が、鹿児島市のサンエールかごしまであった。パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘は1年以上が経過。終わりが見えない中、「武力は抑止にならない。憎しみの連鎖を生むだけ」と訴えた。 【写真】「武力で平和は作れない」と訴えるダニー・ネフセタイさん=鹿児島市のサンエールかごしま
ダニーさんは高校卒業後、徴兵で3年間空軍に所属。「敵を倒し国のために死ぬことは素晴らしいと信じていた。教育次第で人はすぐ鬼になる」と語った。 イスラエルでは戦闘開始後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病などに苦しむ人が急増しているという。「犠牲者や遺族だけでなく、殺害に関与した人も戦争被害者だ」と強調。「世界で戦争に関わる人はわずか。残りの人が戦争を止めるために団結することが重要」と指摘した。 鹿児島市の会社員田中実佳さん(43)は「一人一人が不戦を表明したり行動に移したりすることが大切だと気付かされた」。同市の会社員生見佳代さん(50)は「戦争を終わらせる道筋が見えたようで希望が湧いた」と話した。 講演は10月26日あり、市民団体「鹿児島の平和な未来を考える会」が主催し65人が参加した。
南日本新聞 | 鹿児島
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