「大きな一歩」菊池事件の再審請求審 証人尋問を実施へ
熊本朝日放送
ハンセン病とされた男性が、無罪を訴えながら死刑となった菊池事件。裁判のやり直しをめぐる審理で、注目の判断です。 14日午後3時前、熊本地裁前で集会を開いた弁護団。裁判のやり直しの必要性を改めて訴えました。 徳田靖之弁護士 「1人の人間として、やらなければいけない使命として、最後まで菊池事件の再審無罪を勝ち取るために戦い続ける。そういう気持ちを固める1日にしたいと思います」 ハンセン病とされた男性が殺人罪などに問われ、無実を訴えながら死刑を執行された「菊池事件」。遺族らは、裁判のやり直しを求めていて、弁護団はこれまでに、凶器に関する法医学鑑定書などを再審開始の要件とされる新たな証拠として提出しています。 今回の審理で、全国で初めて争点となっているのは裁判の違憲性についてです。 熊本地裁は、2020年、男性が裁かれた、事実上非公開の「特別法廷」を違憲とする判決を下しています。弁護団は、裁判の違憲性が再審理由にあたるとする九州大学内田博文名誉教授の意見書も提出し、証人尋問を求めていました。 しかし、憲法違反は、再審開始の要件として法律に明記されておらず、熊本地裁の判断に注目が集まっていました。 徳田弁護士 「憲法的再審事由が認められるかどうかを専門家に聞くというのは、日本の裁判史上、初めてのことになると思います。私どもとしては、今日の事実上の決定で、菊池事件の再審に向けて大きな一歩を歩みだしたと受け止めています」 弁護団によると、熊本地裁、熊本地検との非公開の協議で、地裁が内田名誉教授の証人尋問を認めたということです。 7月30日に、証人尋問の方法などについて協議するということです。