【現地レポート】「日本人が知らない」金融サービス10社、投資家減で増えた動きとは?
フィンテック関連のスタートアップピッチイベントとしては老舗だが、米国最先端の企業を扱うFinovateSpringが、5月21日から23日に米国サンフランシスコで開催された。ここでは、講演やパネルから重要と思われる米国におけるトレンドを概観するとともに、会場参加者の投票で選ばれた「Best of Show」受賞および目についたスタートアップの顔ぶれとビジネス内容を紹介したい。AIやBaaS(Banking as a Service)、Embedded Finance(組込型金融)といったトピックに加え、「日本人が知らない」注目の金融サービス企業10社などを解説する。 【詳細な図や写真】FinovateSpringにみるフィンテックトレンドとは(出典:FinovateSpring)
米国「最先端」フィンテックイベントFinovateとは?
Finovateはフィンテックという言葉が世に広まる前の2007年から米国で開催されており、多くのユニコーンを輩出してきた。また、欧州では2011年、アジアでは2012年、ドバイや南アフリカでは2018年からと世界各地に開催場所を拡大している。 発祥の地である米国では春に西海岸、秋に東海岸という年間サイクルで開催されており、近年ではMoney 20/20やFinTech Meetupなどの大型イベントに押されている感もあるが、スタートアップの登竜門としての地位を確立していることから、世に出ようとする多くのフィンテックスタートアップはまずFinovate参加を検討すると言われている。 サンフランシスコで開催された今回は、3日間を通して講演やパネルによる金融ビジネスの最新トレンドを解説し、初日・2日目を47社の参加によるピッチコンテストにあてるという構成となっていた。 日本からは、データ分析にもとづいて金融機関の顧客提案やプライシングの効率化を推進するツールを提供するダイナトレックがピッチに参加し、会場参加者の投票による表彰は逃したものの、米国の金融メディア(FinTeh Futures)にとりあげられて存在感をアピールした他、FINOLABはパートナーとして参加した。 参加には厳しい審査もあり、ピッチ登壇にはそれなりのハードルがあるものの、多くの金融機関や投資家などとの交流の機会となるとともに、知名度アップに役立つことから、日本から米国マーケットへの挑戦を考えているスタートアップの参加が増えることを期待したい。