待ちわびたファンどっと、SLやまぐち号が運転再開【山口】
JR山口線の新山口-津和野駅(島根県)間を走る観光列車「SL(蒸気機関車)やまぐち号」が3日、運転を再開した。黒鉄(くろがね)の雄姿を2年ぶりに楽しもうと、大型連休後半の3~5日は乗車定員の245席が連日満席となり、沿線各地は地域住民や鉄道ファンでにぎわった。 3日は新山口駅で出発式が開催され、850人が詰め掛けた。村岡嗣政知事は「山口が注目を集める中、素晴らしい観光コンテンツであるSLの復活は心強く、多くの人に山口の旅を楽しんでほしい」、伊藤和貴市長は「新山口-津和野駅間にある湯田温泉、長門峡など名所・名跡から山口の歴史や文化を感じてもらい、沿線住民のおもてなしを満喫してほしい」とあいさつした。 JR西日本広島支社の広岡研二支社長は「山口が世界中で注目を浴びる中、山口と言えばSLと言ってもらえるようJR西日本で支援していきたい」と話した。
デゴイチの愛称で知られるD51型が姿を見せると来場者からは歓声が上がり、家族連れらがしきりに写真に収めていた。友人と見学に訪れた野口真輝君(大内南小6年)は「煙を出しながら、鳴らす汽笛が格好いい」と話していた。 村岡知事らが合図を出すと汽笛の音と共に走り出した。SLの運行を追い掛ける多数の鉄道ファンの影響もあり、阿東地域では国道9号が一時渋滞となっていた。 篠目駅には連日、鉄道ファンが殺到。地域住民が配布した小旗を振って歓迎する姿が見られた。〝撮り鉄〟と言われるファンたちは、出発時の黒煙と水蒸気を発する瞬間を捉えようとカメラを向けていた。岡村恭樹さん(57)は広島から駆け付けた。「やまぐち号が初めて走った小学生の時に乗って以来のファン。待ちわびた復活に立ち会えてうれしい」と笑顔を見せた。