え?まさかの衝撃!“倒され倒した”井上尚弥に一体何があったのか…ネリとの東京ドーム決戦舞台裏…1回のダウンから6回に逆転TKO勝利できた理由とは?
3度のダウンを喫したネリは病院に直行し記者会見をキャンセルした。その後、SNSを更新し「私は元気です。皆さんのサポートに感謝します、私たちはできる限りのことをしました」と素直に完敗を認めた。 当日チケットは、すぐに売り切れ、4大世界戦がスタートする前に場外に設置されたグッズ売り場の商品も完売した。 「野球のWBCを超える人の集まり方だったみたいだ」と大橋会長が言う。 日本ボクシング界にとっての歴史的な1日は、井上という不世出のボクサーがいたからこそ実現した。その期待感は無敵の井上が「プレッシャー、重圧はあった」と振り返るほどの重荷に変わった。しかし、井上の「強くなりたい」という消えることのない心の灯が、そういう外圧をも力に変えて、モンスターをさらに怪物へ進化させていく。 「本当は28、29歳で引退してもらいたかった」という真吾トレーナも、「まだ尚はピークじゃない。右肩上がりに成長しています」と証言した。 「今回メキシコの若手のホープをスパー相手として何人か呼んでもらいました。こっちが疲れるとか、どっかで押されるとかがあってもおかしくない勢いがあったが、連日、全ラウンドで完璧に圧倒しているんです。世代交代なんてまだまだ先なんだなと。今、尚は何歳で引退するって言っているんでしたっけ?」 リング上には次戦の対戦候補のグッドマンが上がった。 「次戦、9月頃、隣にいるサムグッドマンと防衛戦をこれから交渉していきたいと思う」 18勝(8KO)無敗のオーソドックススタイルのストレートパンチャー。昨年は4試合を戦い、予備カードでKO勝ちした元IBF世界同級王者のドヘニーや井上に挑戦状を叩きつけていたライース・アリーム(米国)ら、骨のある相手を判定で破ってきた。そのグッドマンは「自分もベルトが欲しくてここまで戦ってきた。絶対にやりましょう」と応じた。 グッドマンは、筆者の取材に「井上に勝つ方法があるのは分かっている。自信は間違いなくある。私は戦いに向かうすべての試合に自信を持っているんだ」と豪語した。 次から次へと刺客が現れるのは最強王者の宿命である。 34年ぶりの東京ドーム興行にふさわしいファイトを見せた井上の最強、最高を求める戦いはまだ終わらない。 会見の最後。 WBCから特別に贈られたダイヤモンドベルトを井上は、感謝の言葉と共に大橋会長にプレゼントした。こういう人間性が井上をさらに内側から強くするのである (文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)
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