「ウサギ」が突然死…駆け込んだ動物病院で『緊急手術後』に異変 病院側に60万円あまりの賠償命じる 飼い主「動物でも家族の一員との思いで治療にあたって」
飼っていたペットの「ウサギ」が動物病院での手術中に死んだことをめぐり、飼い主に十分な説明を行っていなかったとして、京都地裁は病院側に対して60万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。 【画像を見る】飼っていたうさぎの「しろ」寝転ぶ様子など 訴状によりますと、奈良市に住む紀良明さん(54)は約3年前に飼っていたウサギの『しろ』の食欲がないなど体調の悪い日が続いたことから府内の動物病院を受診。その後、獣医から強くすすめられ、手術を受けたところ、手術中に『しろ』の心肺が停止し、死んだということです。 紀さんは「手術によって死ぬリスクについて説明がなかった」などとして、獣医や病院の運営会社などに対し、計660万円の損害賠償を求めていました。 3月26日の判決で京都地裁は「飼い主らは手術で死亡する危険性があると説明を受けることなく、獣医から『自分の子どもだったら今すぐ手術をする』などと強く勧められた」、ウサギの体調などから「外科的な治療が必要不可欠な状況にあったとはいえず、説明義務違反があった」と指摘しました。そのうえで、ウサギについて「かけがえのない家族の一員」としたうえで、「絶望感は察するにあまり、深い悲しみを背負い続けている」として、訴えを一部認め、病院側に慰謝料60万円余りの支払いを命じました。
飼い主の男性「動物であっても家族の一員との思いで治療にあたって」
4月5日に京都市内で会見を開いた紀さんは「この裁判の目的は動物であっても家族の一員であるという思いで治療にあたってほしいということでした。私たちは『しろ』を子ども同然にかわいがり、楽しく過ごしていました。かけがえのない家族でしたし、命ある動物が医療行為の名のもとに無残にも犠牲になることがあってはならないと思います」などと話しました。 また、紀さんの妻は「どんなに痛くこわかっただろう、こんな最後はあまりにもひどすぎると思いました後悔は、しろを死ぬほどの痛みを与える手術に送ってしまったこと身が粉々に砕かれる思いです」、「注意義務を怠った自覚があるなら最初から認めてほしかった。しろを失わなくても良かったと考えると、心底苦しいです、悔しいです」など悔しさを滲ませました。 病院側は「コメントを差し控える」としています。