《総理になってほしい女性政治家ランキング》「同僚からの評価が低い」2位を破った堂々1位は
人気やキャリアで一歩先を行くのは……
137票を集め堂々1位に輝いたのは、現在、経済安全保障担当大臣の高市早苗氏。 「安倍元総理の遺志を承継する政治家だから」(兵庫県・60歳・男性) 「難癖つけてくる中国にもしっかり反論してくれている」(東京都・58歳・男性) と、特に50代以上からの信頼が厚い。あまり知られていないが、高市氏は蓮舫氏や小池氏と同じくニュースキャスター出身。初当選は'93年の衆院選で、無所属での出馬だった。 「'21年に総裁選に出馬し、一気に知名度がアップしました。ほかの女性政治家と違うのは“女性”を強く意識した政策をあまり前面に出さないところ。男女関係なくひとりの政治家として勝負したいという思いが感じられます」 前回の総裁選出馬にあたっては、安倍晋三元首相の全面的なバックアップがあった。安倍氏が亡くなり、さらに派閥の解散も決まった今、高市氏の党内での立場が気になるところだ。 「当時は確かに安倍さんの協力もあり、高市さんを応援する多くの議員が集まりました。しかし派閥が解体されたからこそ、次回の総裁選では議員一人ひとりの意向がより大切になります。 永田町では結局、能力や学歴などより仲間が一人でも多いほうが勝つんです。国民的には石破茂さんが人気ですが、女性議員に限っていえば、知名度やキャリア、年齢を総合的に鑑みると高市さんがほかの方より少しリードしているといえるでしょう」
政治家に対する不信感は増すばかり
6位以下のランキングでは、野田聖子氏、片山さつき氏らの名があがった。しかし、今回のアンケートでもっとも多かった意見は「首相にふさわしい人物はいない」という厳しい意見。422人に上った。 「男女問わず、今の政治家に首相が務まる人材はいない」(神奈川県・49歳・女性) 「選挙の時だけ頭を下げている人たちとしか思えない」(東京都・24歳・男性) など、今の政治に対する不信感、怒りのにじむ言葉が並んだ。 「安倍さんが銃撃されたあとに旧統一教会の問題が浮上し、それ以来ずっと自民党支持率は低迷しています。今回の裏金問題がさらに追い打ちとなり、党内では“もう岸田さんでは戦えない”という声もあります。初の女性総理を打ち出すことはある意味、自民党の最後の砦ともいえるのです」 しかしながらこのアンケートの結果を見る限り、国民の間に「女性首相待望論」が巻き起こっているとも思えない。 モリカケ問題、旧統一教会問題、莫大なコロナ予備費の使途不明金問題、さらに今回の裏金問題を経て、もう国民の間には“あきらめムード”が漂っている感もある。 「第2次安倍政権下で、テレビでの政治報道のあり方をめぐり政府から圧力があったかどうかが問題となりました。それ以来、テレビでは政治にまつわる放送がぐんと減り、思い切った発言をする政治の専門家の出演も少なくなりました。こういったことが、政治に対する国民の興味をますます薄れさせているようにも思います」 投票率も低下傾向が続いている。昨年行われた統一地方選挙では前・後半戦ともに過去最低の投票率となり、半数を割ってしまった。今回のアンケートで、千葉県在住の27歳女性は、 「政治家なんて男も女も関係なく、自分たちの既得権益のことしか考えておらず、国民のことなんて何も考えていない」 と回答。衆院解散がなければ、次回の国政選挙まであと1年半。政治を変えるための方法は唯一、投票しかない。
首相になってほしい女性政治家ランキング
1位 高市早苗(自民党) 137票 2位 小池百合子(都民ファーストの会) 115票 3位 蓮舫(立憲民主党) 49票 4位 上川陽子(自民党) 43票 5位 田中眞紀子(元民主党) 33票 取材・文/植木淳子