「第10回夏山フェスタ」 5347人来場 山の魅力と登山情報を発信 多彩なセミナーで会場に熱気
中部地方最大の山岳関連総合イベント「第10回夏山フェスタ」が8、9の両日、名古屋市中村区の愛知県産業労働センター(ウインクあいち)で開催された。10回目の節目を記念した企画展が行われたほか、登山用品メーカーや自治体など54社・団体が出展した。また中部エリアで人気の山小屋55軒がブースを設け、山に関する情報を提供した。登山家らによるトークショーや登山用品に関するセミナーも開かれ、2日間で延べ5347人が来場した。 会場にはイタリア発のアウトドアブランド「モンチュラ」が登山用パンツの立体パターン(型紙)を展示したほか、石井スポーツやアルペンといった登山用品販売店、登山道具メーカーが出展。ある登山道具メーカーは「コロナ禍以来、数年ぶりに出展した。最新モデルを展示し、近隣の販売店も紹介するなどして販促につなげたい」と話した。 山小屋コーナーには多くの登山愛好家が訪れ、情報収集にいそしんでいた。一宮市から訪れたという男性は「今年、荒川三山(静岡県)縦走を計画しており、山小屋の予約を確認できた。会場では第10回記念企画展『登山道具の今と昔』が興味深かった」と語った。
また、セミナーは8日、俳優で「山の日アンバサダー」の釈由美子さんが登壇。子どものころ父親と富士山に登頂した経験から、自身も息子と親子登山を楽しんでいるといい、「山を通じて子どもの成長を感じることができる。準備は万全にしつつ、子どもの体力に合わせてコースを選び、一緒に山を楽しんで」と呼び掛けた。 9日は、北アルプスや八ヶ岳に立地する四つの山小屋の代表らによる座談会「どうする山小屋~ポスト・コロナからの展望~」や、日本人女性初の8千メートル峰・全14座制覇を目指す、看護師で登山家の渡邊直子さんの講演会も行われた。 夏山フェスタは、全国山の日協議会と日本山岳ガイド協会、日本山岳会東海支部、中部経済新聞社で構成する夏山フェスタ実行委員会が開催している。