最低賃金答申 59円引き上げ952円 最下位脱すも全国と差【岩手】
岩手地方最低賃金審議会(会長・丸山仁岩手大教授)は28日、2024年度の本県最低賃金(時給)を現行の893円から59円(6・61%)引き上げ、952円に改正するよう岩手労働局(粟村勝行局長)に答申した。国の審議会から示された改定目安(50円)に9円上乗せし、引き上げ額、率とも最賃を時給で示すようになった02年度以降では最大の上げ幅。早ければ10月27日から適用される。秋田県の改定予定額を1円上回り全国最下位の返上を確実にした。 地方審は公益、労働者、使用者の代表委員各5人が出席し同日、盛岡市内で開かれた。専門部会で4回審議したものの労使両者の主張が折り合わず最終的に公益委員の提示を踏まえ、地方審で59円の引き上げについて採決を行った結果、会長を除く賛成9人(公益委員4人、労働者委員5人)、反対5人(すべて使用者委員)の賛成多数で決定した。異議申し出など必要な手続きを経て金額に変更がなければ10月27日に発効する。 専門部会は、▽生活必需品などに関わる消費者物価指数の高水準な上昇▽全国や隣接県を上回る水準の賃上げ妥結状況▽支払い能力を示す調査の賃上げ率―などを重視。深刻化する人手不足の中での人材確保や隣県などと比較した本県の経済実態、地域間格差の是正なども考慮した。