西郷真央「自分なんかが…とは思うけど」 開幕当初から狙い続けた新人賞
◇米国女子◇CMEグループ ツアー選手権 最終日(24日)◇ティブロンGC ゴールドコース(フロリダ州)◇6700yd(パー72) 【画像】西郷真央はルーキー優勝を逃がして…悔し涙 昨年末の予選会を経て米ツアーメンバーになった西郷真央が、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。1アンダー38位から出た最終日、1イーグル4バーディの「66」で回り、通算8アンダー25位。新人賞レーストップで今週に入り、66pt差をつけていた2位のイム・ジンヒ(韓国)が4アンダー42位に終わり決着がついた。 日本人選手では1990年に小林浩美が獲得して以来2人目。「アジアシリーズ(10月)あたりまでずっと意識していて、(競争相手だった)イム・ジンヒのスコアを毎回チェックしていた」という。一度しか獲れるチャンスがないトロフィを高々と掲げ、受賞を喜んだ。
今季は3つの目標を立てて新天地に臨んでいた。「まずはこの最終戦に出ること。ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得すること。あと優勝すること」。初タイトルこそかなわなかったが、今週で2つを実現させた。 7月「CPKC女子オープン」で優勝争いの末に2位になるなど、新人賞レースではトップを独走してきた。しかし、西郷が予選落ちした前週「アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン」でイムが2位に入り、「週末に(会場に)いられていなくて、ちょっと気持ち的にはナーバスになった」という。当初出席する予定だった今週の開幕前夜に行われた年間表彰アワードも、衣装を用意しながら「出ても、出なくてもいいと言われた」こともあり、欠席して練習に専念した。
1962年に制定されたタイトルの過去受賞者は、アニカ・ソレンスタム(94年/スウェーデン)、カリー・ウェブ(96年/オーストラリア)、朴セリ(98年/韓国)、ロレーナ・オチョア(2003年/メキシコ)、ポーラ・クリーマー(05年)、ツェン・ヤニ(08年/台湾)、申ジエ(09年/韓国)、今大会を制したアタヤ・ティティクル(22年/タイ)と名だたるメンバー。「すごい選手ばかりで、尊敬する日本の先輩たちでさえ成し遂げられなかったものでもあるので『自分なんかが』とは思うけど、目標としてきたものを獲得できた」と、本音を漏らしながらも誇らしい。
10月「BMW女子選手権」以降はショットの違和感とも向き合ってきた。「でも、彼女(イム)がいいプレーをしてくれたから、自分もよりいいプレーができたと思う」とライバルの存在も刺激になった。タイトルを目指していたからこそ、ほぼ休まずに転戦を続けて29試合に出場。「彼女(24試合)より数でカバーしちゃったところもあるけど、日本ツアーで培ってきたマネジメントだったり、自分の得意とするショットが米ツアーに来ても通用できたのが一番の強み」と振り返る。最終9番、154ydからの2打目を8Iでピン奥1mに絡めた技術で、さらに高みを目指す。(フロリダ州ネープルズ/石井操)