決勝で2G1Aと大活躍の昌平MF長璃喜の父・成憲さん「最後に結果を出せてよかった」
8月3日、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)決勝がJヴィレッジスタジアムで行われ、昌平(埼玉)が3-2で神村学園(鹿児島)を下し初優勝を飾った。 【フォトギャラリー】神村学園 vs 昌平 ここまで3度の挑戦で3度跳ね返されてきた鬼門の準決勝を突破し、初の決勝を迎えた昌平。決勝戦の舞台となった福島県のJヴィレッジスタジアムには2,000人を超える観客が詰めかけ、昌平サッカー部を中心とした応援団もバックスタンドで大きな声援を送った。 選手の家族も沢山スタンドで見守る中、昌平の選手たちは劇的な逆転勝利で日本一に輝いた。スタンドには2G1Aと大活躍を見せたMF長璃喜の父・成憲さんの姿も。成憲さんは「ずっと何試合か調子が上がってなかったので、最後にこうやって結果を出せてよかったです」と胸を撫で下ろし、「正直まだ実感が湧かないですけど、先輩たちが本当に良いプレーをしてくれて、本人があると思います。あの先輩たちがいなかったら本人も良いプレーが出せないと思うので、キャプテンの(FM大谷)湊斗君だったり、(FW鄭志錫)チソ君だったり、みんなに感謝です」とチームを引っ張ってきた3年生やチームメイトに感謝した。 兄の準喜(現・順天堂大)は2年生の時にインハイで3位、昨年選手権でベスト8だったが、成憲さんは「兄が獲れなかったというのもありましたが、去年の子たちの活躍があって、(この試合に)去年出ていた子たちもいたので、そういう経験があったから今日の結果になったんじゃないかと思います」と兄たちや、その先輩たちが積み上げてきたからこその初優勝だったと話した。 「FC LAVIDAに入って成長して、昌平に入ってまた成長してと、ここまで来れたのは本当にコーチと監督さんのおかげです。LAVIDAの村松さんだったり、藤島さんだったり、玉田さんだったり。本当に皆さんがここまで育ててくれて、感謝しかないです」と息子を育ててくれたコーチ陣に感謝の言葉を並べた。 そして「お兄ちゃんは4.5歳からサッカーを始めたんですけど、最初は野球だったんです。右投げ左打ちで。だけど本人が途中でサッカーをやりたいと言い出したので、本人がやりたいならがんばりな、という事で兄がサッカーを始めたら、弟もやりたいとなって」と二人がサッカーを始めた経緯を教えてくれた成憲さん。 さらに「家で基本的にサッカーの話はしなくなりました。リラックスできるように、オンとオフを切り替えられるようにしています。そうしないと緊張した状態が続いちゃうと思うので。サッカーの話をする時はお兄ちゃんとしていますね。僕は一切かかわらないようにしています」と2人が小さいころと違って、今ではサッカーの話はしないと明かした。 そんな父にシャイな璃喜は「お父さんには感謝しています」と一言。そして「お兄ちゃんが今免許を取っているので、『優勝したら乗せてやる』って言われました」と嬉しそうに話した。 昨年は兄が3年、弟が1年生と1年間だけ2人揃って昌平でプレーした長兄弟。その時は目標の日本一に届かなかったが、この夏は負けず嫌いの弟が兄の分まで決勝で大活躍。仲良くも、ライバルでもある2人の活躍には陰で支える家族の存在があった。 (文・写真=会田健司)