「この仕事で何千頭と救っていける」27年間夢みた動物愛護センターが完成!開設に奮闘したある獣医師の願い
南海放送
犬185頭、猫544頭。これは昨年度、愛媛県松山市が保護・収容した犬と猫の数です。その数は、年々減少傾向にあるものの、本来あるべき姿である“ゼロ”からは程遠いのが現状です。 【動画】一人の獣医師が27年間夢見た「動物愛護センター」がついに完成! そんな中、松山市は独自の動物愛護センターを新たに設置しました。センターの開設を夢見て27年。奮闘してきた、一人の獣医師の思いに迫りました。
今年3月、松山総合公園に新たな動物愛護センターが誕生しました。関係者を案内するのは、松山市保健福祉部の木村新(あらた)副部長。獣医師であり、センター誕生の立役者です。 木村さん: 「ここには動物がいないのが本当はいいんです」
これまで市内中心部にあった収容室は動物への環境が整えられず
松山市内中心部にある松山市保健所の分室。センター完成前までは、この場所に、親から育児放棄された子猫、迷い犬などが保護・収容されていました。およそ50㎡の敷地に犬6頭、猫は30頭以上が収容されていたこともあります。 元々、犬や猫の収容を想定して作られた場所ではないため… 松山市生活衛生課 森貞完爾さん: 「戸を開けていたり、やっぱり夜とか吠える犬もいるので、鳴き声とかが近所のご迷惑になったり、そういうのが一番辛いというかご迷惑かけてるなと」
また、感染症などの治療で、隔離が必要なケースを除き、犬と猫の収容は同じスペース。 冷暖房はありますが、自分で体温調節ができない赤ちゃん猫と成犬では、適切な温度が異なるため、夏場は犬にとって大きなストレスになることも…
森貞さん: 「見ていただいたら分かるんですけど、(犬の)噛み跡ですよね。やっぱり狭いところに入れられて暗いと言ったらいけないんですけど」
松山総合公園の一角で新センターの建設を進めてきた
施設の老朽化と管理に限界を迎えつつある中、去年夏に始まったのが…松山市独自の動物愛護センターの建設です。松山総合公園の一角に設置された新たな施設では、犬は15頭、猫は86頭まで収容可能になります。 松山市生活衛生課 住友大輔副主幹(当時): 「木造の約200平方メートルの平屋の建物ができます。面積だけで言うと4倍近くぐらいになる」