【レポート】シシド・カフカ率いるel tempoと聴覚障がいのある手話パフォーマーが『ゆるスポーツランド』で最新楽器「ハグドラム」を初合奏
■「今回のことをきっかけに聴覚障がい者の方々だけでなく、ほかの障がいをお持ちの方々とも音楽を共有できていければいいなと思います」(シシド・カフカ) 【画像】イベントの様子(写真全20枚) 一般社団法人 世界ゆるスポーツ協会が、5月11日に『ゆるスポーツランド2024(YURU SPORTS LAND 2024)』を開催した。 オープニングイベントでは、現在、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントがソニーグループ株式会社(以下、ソニー)のデザイン部門であるクリエイティブセンターと共同開発を進めている聴覚に障がいがある方でも光と振動で合奏参加できる新しいドラム「ハグドラム」を初お披露目した。 このデモ演奏には開発におけるメンターとして初期から携わっている即興パフォーマンスグループel tempo(エル・テンポ)よりシシド・カフカ、IZPON、Show(Survive Said The Prophet)、岡部洋一、芳垣安洋、KENTA(SPYAIR)と、手話エンターテイメント発信団 oioiのパフォーマーである岡崎伸彦(「崎」は、たつさきが正式表記)と中川綾二らが参加。プロのミュージシャンと聴覚障がいがある方との夢のステージ共演が実現した。 ステージを終えてel tempoを率いるシシド・カフカは「ハンドサインを使っていろんな人と音楽を共有できることは、とても多くの可能性を秘めていて、今回こういった形でハグドラムの開発に携われたことは私たちにとってもすごい財産になりました。今回のことをきっかけに聴覚障がい者の方々だけでなく、ほかの障がいをお持ちの方々とも音楽を共有できていければいいなと思います」とコメント。 実際に初めてのステージ上でのドラム合奏を体験したoioiの岡崎氏は「めちゃくちゃ楽しかったです。生まれつき耳が聴こえない僕たちが合奏ができることが嬉しすぎて、最後手が痛くなるまでたたいてしまいました」と話した。 実際のデモ演奏では会場のお客さんの手拍子が一緒に鳴り響くほどの一体感を見せたハグドラムのステージ。その後も会場のゆるミュージック協会でのブースでもたくさんの人がデモ体験をし、注目を集めていた。 PHOTO BY 千々岩友美 今回のイベントでは、ゆる楽器を使ったバンド「ゆるミュージックほぼオールスターズ」のトミタ栞と新メンバーのヤナが司会進行を務め、ヤナは初めてステージ上で「正解ないダンス」をパフォーマンス。 その後、世界ゆるミュージック協会のブースでもパフォーマンスをし、多くの来場者の心と体をゆるめた。 PHOTO BY 越智貴雄 ■トミタ栞 コメント お客さん達から全力の“楽しい”が伝わってきて、私も楽しくて幸せいっぱいの1日になりました。母国語でないにも関わらず、歌も司会もこなす頼れる新メンバー ヤナさんも加わり、さらにパワーアップしたゆるほぼの今後の活動に期待してください! ■ヤナ コメント 会場の皆さんと一緒に「正解ないダンス」をパフォーマンスできて、元気をたくさんもらいました!皆さんの笑顔とやる気を見てすごく感動しました! 初めての司会進行、膝ガクガクしてましたが、会場の皆さん、トミタさん、スタッフの皆さんのおかげで、最後まで楽しむことができました! そして、ワークショップでは、みんなさんの「正解ないダンス」を見て正解ないことが正解なんだなと実感できました!(矛盾してるかな?w)今後、色々なところでゆるほぼのパフォーマンスできることを楽しみにしています。 ■「ハグドラム」について 聴覚に障がいがある方の「音楽を楽しみたい」という声をもとに生まれた、手のひらで打面を叩いた音を、光と振動で感じられるドラム。打面の中心は低音、縁を叩くと高音が出て、光を放ちます。また、胴体の2ヵ所に振動するスピーカーがあり、抱えると脇腹に触れる内側からは自分の叩いた音が、腕に触れる外側からは合奏者の音が振動として再現される。
THE FIRST TIMES編集部