中国専門家「トランプ第2期、中国に有利…4年間戦争はしないだろう」
「中米間の緊張は高くなるかもしれないが、トランプの孤立主義は中国に役立つだろう」 中国の代表的な国際政治学者である中国清華大学国際関係研究所の閻学通名誉院長が20日(現地時間)、米外交専門紙「フォーリン・アフェアーズ(Foreign Affairs)が公開した「中国がトランプを恐れない理由」という寄稿文を通じて、このようにドナルド・トランプ政府第2期に対するやや楽観的な展望を出した。あわせて「4年間『中米戦争』はしないだろう」と断言した。 閻氏はその背景として学習効果を挙げた。トランプ氏が貿易戦争を拡大して軍事的圧迫を高めても、中国がトランプ第1期の間に多くのことを学んだので、これ以上トランプ氏を恐れることはないという観測だ。 閻氏はトランプ第2期が中国に有利な具体的な根拠3種も挙げた。第一に、トランプ氏は相対的に中国の人権など理念的問題に関心がなく、中国の政治体制を変えることにも関心がないためだ。中国が政治的安定を維持するのに集中することができるという意味だ。 第二に、トランプ氏の政治的孤立主義は米国が同盟を保護するための投資を減らすことができる。トランプ氏が米国の安全保障に便乗しようとする同盟を叱責してきたので、中国がこれらの国々と協力する新たな機会を持つことができるという解釈だ。すなわち米国の同盟が危険を分散させる「米中ヘッジ戦略」を取れば中国が戦略的優位に立つことができるというものだ。 第三に、トランプ氏が国内問題に集中するため米中が台湾を巡って戦争する可能性が低くなるだろうという展望だ。実際、経済を重視するトランプ氏は最初任期の間、ただの一度の戦争も起こさなかったことを政治的功績だと感じている。 閻氏は「中米が人工知能(AI)や先端技術サプライチェーンを巡って争うことはあるが、台湾海峡や南シナ海で代理戦をあおる理由はない」とし「中米冷戦論は状況を誤った方向に導いている」と主張した。