トークセッションでは「星空と光環境の共生～八重山の星空を守り、活かすためのアクション～」が話し合われた＝10日、石垣市民会館中ホール

　星空保護区の照明シンポジウム「美しい星空と光環境の共生」（主催・石垣市）が10日午後、石垣市民会館中ホールで開かれ、株式会社ライティングプランナーズアソシエーツ代表の面出薫氏の講演や中山義隆市長らが登壇したトークセッションが行われた。 　講演では「環境にやさしい照明デザイン」をテーマに照明デザイナーの面出氏が、国内外で手掛けた仕事を紹介しながら照明デザインの概要を説明した。 　面出氏は「照明デザインの原点は影であり陰影である。美しい影をつくることが大切なことだ」と強調した。 　トークセッションでは「星空と光環境の共生～八重山の星空を守り、活かすためのアクション～」として、面出氏と中山義隆市長、石垣島ビーチホテルサンシャインの赤城陽子総支配人が登壇。司会はダークスカイジャパン代表の越智信彰氏が務めた。 　石垣島ビーチホテルサンシャインは光害に配慮した照明デザインを採用し、不必要な屋外照明の削除や生態系保全や省エネルギーに効果的な照明色に取り組んできた。赤城代表はホテルに宿泊する観光客で星空を撮影しに訪れる客が増えていると紹介した。 　中山市長は「夏場のマリンレジャーなど、観光客には海だけでなく夜の星を見に来てもらえることは強み。星空観光が石垣島観光の大きな柱として育ってほしい」と期待した。 　面出氏は石垣市における夜間照明のマスタープランをつくるならと問われ、「どういう街にしたいか住民のコンセンサスが必要。実現したい姿を可能にする光のガイドラインをわかりやすく伝えることだ」と街全体での取り組みを勧めた。 　中山市長は行政として安全・防犯面で要望がある場所に街灯を増設している現状を伝え、「光が空に届かないような光の出し方、街全体の明るさを考えていくのはこれからの課題。プランニングも必要になる」との見解を示し、面出氏にアドバイザーとして協力を求めた。