《ブラジル》三重県人会うどん会が大盛況=本場の伊勢うどん試食に行列=みえ友パウリスタが県PR
ブラジル三重県人文化援護協会(広瀬哲洋会長)による「うどん会&伊勢うどん試食」が27日に行われ、前売り券分の300杯に加えて当日販売でも200杯が売れて合計約500人分となり、行列ができる大盛況となった。三重県は1973年に聖州と姉妹提携を締結し、昨年50周年を迎えた。同イベントでは県人会と三重県庁が「ブラジルサンパウロ州における三重の伝統文化理解促進事業」の一環として、一口サイズの「伊勢うどん」を試食できるようにして県伝統食をPRした。
同県人会の「うどん会」は長年に亘って行われている好評イベントだったが、2020年から始まったコロナ禍によりしばらく開催ができず、今回4年ぶりに再開された。伊勢うどんは太くてやわらかい麺に、少量のたまり醤油をベースにしたタレがかかったもので、会場では実際に三重から取り寄せたものを使用し、行列ができていた。県や伊勢うどん、伊勢市などを紹介するビデオや、鰹節やうどんなど県産品を紹介するコーナーなども設けられ、会場全体で県をPRするイベントとなった。 同イベントの宣伝は「みえ友パウリスタ」がSNS上で行い、イベント自体の手伝いも行った。「みえ友パウリスタ」とは、県人会員から選出された県と県人会の交流の懸け橋となり、当地に県の魅力を発信するサポーターのことで、今年1月に県交流事業で2週間の訪日研修を受けた4人が委嘱された。
県人会の広瀬会長は、「コロナ禍でしばらく中止にしてましたが、県人会会員、婦人部、剣道部、青年部、みえ友パウリスタなど皆で一丸となって再開することができました。県庁の協力があり、本場の伊勢うどんを皆さんに試食していただくことができて本当によかったです。これからも三重県や県人会に興味をもって、より日伯交流が盛んになるのことを願っております」と喜びを語った。 みえ友パウリスタの一人である塩野エジソン三重県人会剣道部長(49歳、2世)は、「多くの人に県人会のうどんや伊勢うどんを食べてもらうことができて本当に嬉しい。これからも三重県のいいところを継続して発信していき、県人会を盛り上げたい」と述べた。 同じくみえ友パウリスタで同県人会青年部部長の高橋一郎ビットルさん(23歳、3世)は、「三重県のPRができた非常に良いイベントだったと思います。今回、青年部では飲み物を販売しましたが、次回は日本にあるような『イチゴミルク』などブラジルでは珍しいものも販売して県人会活性化につなげたいです」と述べた。 同様にみえ友パウリスタの親川哲也ルーカスさん(21歳、4世)は、「三重県で食べて美味しかった伊勢うどんをブラジルで皆さんに食べてもらうことができたのは光栄なこと。県人会の活動を支えて、より活発に日伯交流が促進できるよう努めたい」と述べた。 同イベントには、1997年から2000年までJETプログラム(日本政府の外国語青年招致事業)で三重県にブラジル人として初めて招致された相良クリスチーナ泉さん(56歳・二世)も参加した。同プログラムは、世界各国の若者を特別公務員として地方公共団体や公立中・高等学校などで特別採用するもの。 相良さんは、「県人会は時代の流れもあり活動が大変な所も多々あるけど、今回のイベントのように県庁と協力して活動ができていることは素晴らしく、これからの県人会や日系社会、日伯交流にとって重要なことだと思います」と述べた。 うどんを食べに来た田中一郎さん(かずろう、2世、86歳)は、「県人会のうどんも伊勢うどんも美味しかった。特に伊勢うどんは濃いたまり醬油の味がしっかり効いてて美味しいね」と笑みを浮かべて述べた。