ベガルタ仙台 観戦者の推し選手が分かる「FootReco」実証実験…サポーターの輪広げスタジアムを満員に
クラブ設立30周年を迎えたJ2ベガルタ仙台は2024年シーズンのホームゲームで産学連携事業アプリ「FootReco」の実証実験を行っている。同アプリは「スタジアムを満員にしたい」という思いから、推し選手の情報交換や、サポーター同士のコミュニティーを広げる目的で、前年度まで東北大に所属した熊谷和浩さん、菅原清也さん、石川健志さん、磯貝和樹さんの4人が開発した。プロジェクトリーダーの熊谷さんにアプリへの思いを聞いた。 (取材・構成=山崎 賢人) *** 小学2年生からサッカーを始めた熊谷さん。鹿島や仙台でも活躍した熊谷浩二さんのおいっ子で、サッカー観戦を楽しんできた。個人のXアカウントで選手のパーソナルな一面の情報発信をすると周りの評判が良かったことがあり「選手名鑑をネット上でファンと作りたい、サッカー界を盛り上げたい」思いから22年6月に着想。「アプリでファン同士が集まって盛り上がれる場所がX以外にあるといいな」と、現実でも交流を楽しめる場所をつくろうと同年12月から「FootReco」の開発を始めた。 集まった仲間たちと開発する中で「Global Lab SENDAI(以下GLS)」という若手人材発の新規産業創出を促進する共同事業の組織を見つけた。半年間にわたりITサービスの作成を支援するプロジェクト。「そこでベガルタ仙台さんにサッカー界の課題とかをヒアリングしていった」。GLSが開催するコンテストで最優秀賞を受賞し、初めて開発するアプリに磨きをかけていった。 同アプリでは推し選手の豆知識を投稿できる。また画面にあるスタジアムの座席にピンを刺して表示し、観戦に来たファン同士の居場所が分かり、交流できるチャット機能もある。「友達ができるとスタジアムに来るリピート率があがると思う。スタジアムを満員にするというところにつながる狙いを込めた機能」。安全面にも配慮され、席を知られたくない人には位置をぼかす機能もあり、ブロックも搭載されている。 今回は24年シーズンに限った実証実験で、仙台の他にJ3いわてグルージャ盛岡でも使用されている。今後の目標は、全クラブに広まっていくことだ。「この1年でいろんな方々に使ってもらって、他のクラブにも進出していきたい。目指すはJリーグ制覇です」
報知新聞社