【速報】島根原発2号機 発送電25日開始、25年1月10日に営業運転再開 中電社長
中国電力の中川賢剛社長が10日、島根県松江市内で記者会見を開き、7日に再稼働した島根原発2号機(松江市鹿島町片句、出力82万キロワット)の発送電を今月25日に始め、来年1月10日の営業運転再開を目指すと発表した。 【写真】島根原発2号機 発送電25日開始、25年1月10日に営業運転再開 会見で発表する中電社長
再稼働前は、発送電は12月下旬、営業運転再開は来年1月上旬を目指すと公表していた。 島根原発2号機は7日午後3時に再稼働し、1時間50分後に核分裂反応が持続する「臨界」に到達した。発送電に向け、原子炉が起動した状態での検査が続いている。 2011年3月に事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型。同型の再稼働は東北電力女川原発2号機(宮城県)に次いで2基目で、福島事故後、国内で再稼働した原発は8原発14基目。島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地し、半径30キロ圏に全国で3番目に多い約45万人を抱える。 1989年2月に営業運転を開始。2012年1月から定期検査で停止していた。13年12月に原子力規制委員会の新規制基準適合性審査を申請し、21年9月に合格。22年6月に地元同意の手続きを終えた。安全対策工事は24年10月28日に完了し、燃料計560体を原子炉に入れる「燃料装荷」を11月3日に終えた。原子炉圧力容器と原子炉格納容器のふたを取り付け、耐圧や漏えいの検査を同月30日までに実施した。
規制委の審査は、島根原発の南約2キロを走る「宍道断層」の長さ評価が申請時の全長約22キロから約39キロに延びるなど合格まで7年9カ月を要した。基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)を820ガルに設定し、海抜15メートルの防波壁を建設。電源や冷却手段も多様化し、原発全体の安全対策工事費は現時点で約9千億円に上る。 当初は8月の再稼働を目指したが、23年12月に原発構内で起きた作業員の死亡事故で、安全対策工事に遅れが生じた影響などで12月に延期していた。 3号機(出力137・3万キロワット)は30年度までの新規稼働を目指し、規制委で審査中。1号機(46万キロワット)は17年7月に廃炉作業に着手し、49年度の完了を計画している。