【マーメイドS】実績に対し斤量恵まれたラヴェルとピンハイを推奨 内枠を生かせばチャンスあり
実績に対し斤量恵まれたラヴェルとピンハイに注目
【ラヴェル】 小倉芝1800mの2歳新馬戦で派手に出遅れながらも、位置取りを最低限リカバリーすると、ラスト2Fを11秒7-11秒3の好ラップで勝利した素質馬。その次走のアルテミスSでも大外10番枠から出遅れて後方からの追走になったが、3~4角でリバティアイランドに蓋をしながら先に動いて、最後の直線で一気の伸びを見せた。リバティアイランドを完封したあの走りは素晴らしいものだった。 その後、オークスでは1番枠からまずまずのスタートを決めて、2列目の最内を追走。3~4角でも最短距離を通してラスト2Fでは一旦抜け出し、あわやの場面を作って4着に善戦。この走りからも同世代の牝馬としては潜在能力がトップクラスと言えるだろう。 3歳秋以降は伸び悩んでいたが、立て直された前々走の京都記念では5着と復調の兆しを見せた。同レースでは6番枠から五分のスタートを切り、そこからコントロールしながら中団外目を追走。道中は我慢させ、3角手前で外に誘導してじわっと押し上げていく。3~4角ではかなりロスを作りながら仕掛けを待って、好位の直後から直線へ。序盤で追われるとそれなりに伸びたが、ラスト1Fではキレがなくなってしまった。結果、3着争いに迫る5着だった。 このレースでは、かなり折り合い重視で乗られており、3、4角も大外を回るロスがあった。突き詰めると距離が長かったのだろうが、このロスがたたって最後の直線ではラヴェルらしいキレを見せることが出来なかった。 ただ、クビ差の4着だったシュヴァリエローズは、2走後の目黒記念で2着に好走しているように、ここで通用する実力はあるはず。また、前走の中山牝馬Sは前有利の展開を16番枠から好位の外で追走していたが、雁行状態のため中団中目へと一列下げた結果、4角で出口が狭くなって押し込められるロスがあり、能力を出し切れなかった。 今回はハンデが54kgと魅力的で枠番も5番枠。内で脚をタメて持ち味の瞬発力を生かせば、京都記念時の指数にプラスαを期待できそう。チャンスは十分あると見る。 【ピンハイ】 デビュー2戦目のチューリップ賞でいきなり2着に食い込いこむ離れ業を演じた素質馬。その後は期待されたほど走っているわけではないが、昨秋は古馬OPのカシオペアSで2着、続く中日新聞杯で3着に善戦。 3走前の中日新聞杯では15番枠から出遅れて後方からの追走になったが、そこから中団の外まで進出。道中もスローの団子気味で内には入れられず、中団の外々を追走した。3~4角ではロスを顧みず、外から勢いに乗せて直線へ。序盤でじわじわ伸びて好位まで上がると、ラスト1Fで外からハヤヤッコにはかわされたが、3/4+クビ差で3着となった。 中日新聞杯は後ろの位置になって早仕掛けをしたため、最後に伸びあぐねたが、無理なく追走すれば芝2000mでも問題ないはずだ。また、前走の都大路Sでは4着に敗れているが、このレースでは超絶高速馬場かつスローペースで、上がりが極端に速い決着となり決め手を欠いて負けたものだ。 思い返せばデビュー2戦目のチューリップ賞も、例年と比べると緩みなく流れており、1番枠を利して中団の最内を立ち回ったものだった。ピンハイが好走している時は、ほとんど平均ペースよりも流れが速いレースだ。今回ベリーヴィーナスとアリスヴェリテが競り合ってペースを引き上げれば、3番枠を利した立ち回りでチャンスがあると見る。 ※パワーポイント指数(PP指数)とは? ●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示 例)コスタボニータの前走指数「-20」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも1.8秒速い ●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート ●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3 ●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数 能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補 ライタープロフィール 山崎エリカ 類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
山崎エリカ