グリ下集う若者 6割が「虐待受けた」 支援団体、居場所を提供 実態把握へ
今回の分析は面談をした人を対象としているため「あくまで参考値」(担当者)。グリ下に集まる若者の実態をさらに詳しく把握するため、D×Pは近く、数百人規模のアンケートを開始。結果を踏まえ、国や大阪府市に支援策を提言する。今井氏は「支援や居場所の必要性を訴え、根本的な問題の解決につなげたい」と力を込める。
D×Pは運営資金の大半を寄付に頼っており、2千万円を目標に7月1日までクラウドファンディングサイトで募集している。
■集う未成年ターゲット、犯罪多発
グリ下を巡っては、「居場所」を求めて集まる未成年者が犯罪やトラブルに巻き込まれるケースが後を絶たず、大阪府警が警戒を強めている。
大阪府警は今年1~2月、グリ下に出入りする少女らに睡眠導入剤を渡したり、みだらな行為をしたりしたなどとして、「グリ下の帝王」を自称する無職の男(31)を逮捕。5月には、交流サイト(SNS)で知り合ったグリ下の女子中学生にわいせつな行為をしたとして、不同意わいせつ容疑などで奈良県立高校の講師の男(26)が逮捕された。男はSNSで「#グリ下界隈」などを検索。「(グリ下と検索すれば)低年齢の子がいると想像できた」と説明したという。
さらに6月には、SNSで知り合ったグリ下の女子児童に3万円を渡す約束をしてわいせつな行為をしたとして、不同意わいせつ容疑などで会社員の男(54)が逮捕された。男はグリ下に出入りする別の中学生にもSNSで「パパ活をしませんか」と連絡していたという。
大阪府市と府警、地元商店会、D×Pなどの支援団体は昨年8月に「グリ下会議」を設置。これまでに5回の会合を開いて情報を共有し、グリ下に集まる子供や若者の支援策を検討している。(吉田智香、前原彩希)