日本株"一段高"のカギは「2度目のチャイナサプライズ」だ
「ゼロコロナ政策」撤回で、今年の中国経済はどこまで復活するのか。日本株にとって大きな変動要因だ(写真:ブルームバーグ)
多くの投資家にとって、「年初からの相場の切り返し」は大方の予想を上回る強さであったのではないかと思われる。 この背景としては、主に以下の4つが考えられる。まず(1)アメリカの消費者物価の鈍化で早期の利上げ終了の可能性が高まったことと、2月に入ってもジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長のFOMC(連邦公開市場委員会)後の記者会見での「ディスインフレ」発言で、年内の利下げ観測が高まったことだ。 次に(2)中国が昨年12月ごろから、突然事実上の「ゼロコロナ政策」を撤回したことで、経済活動が急速に再開され景気回復期待が高まったこと、つれて(3)世界景気の深刻な景気後退懸念が後退し、ソフトランディング(軟着陸)への期待が高まったたこと、これらによって(4)マーケットでは急速な「リターン・リバーサル(巻き戻し)」が発生したこと等、が大きい要因になったとみられる。 さて、今後をどう見るかについてだが、(1)についてはこれまで多くの解説がなされているので、今回はとくにサプライズ感の大きかった(2)の中国要因に焦点を当てて今後の影響を探ってみた。
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中井 裕幸