「最難関」は9月10月アウェー2戦、「忘れられない」アブダビの名波浩、「見えてきた」突破の道【組み合わせ決定「ワールドカップ最終予選」の戦い方】(2)
ワールドカップ・アジア最終予選の抽選が行われ、組み合わせが決まった。対戦相手のみならず、スケジュールが具体的になったことで、見えてきたものがある。いかに最終予選を戦うべきか。サッカージャーナリスト後藤健生が考察する。 ■【映像】伊東純也、大迫勇也「惜しい」シュートも…【日本×オマーン】激闘ハイライト
■移動の負担が少ない「アウェー2連戦」
オーストラリアも、交流の機会は多く、いずれにしても前回、前々回の予選で戦っているので不安はまったくない。 その他の対戦国でも移動の負担はそれほど大きくない。 中国までは短距離移動ですむ。中国は暑さを考慮して9月、10月のホームゲームは首都の北京か遼寧省など北部で開催する意向と伝えられているので、11月の日本戦は南部開催となる可能性が大きい。 11月シリーズで、日本代表は14日にジャカルタでインドネシア戦を終えた後、中国に移動して19日の中国戦に臨むのだが、中国南部での開催であれば、アウェー2連戦は移動の負担が少なくて済む(一方の中国はバーレーンとのアウェー戦の後、長距離移動を経て日本と対戦するので日本有利)。 インドネシアやオーストラリアまでの移動は距離的にはかなり遠いが、いずれも南北移動なので時差が少ない。 これに対して、グループBは韓国以外の5か国はすべて中東諸国となったので、韓国代表は毎月のように中東遠征を強いられる。アジア大陸は東西に広がっているので、韓国と中東諸国の間では5~6時間の時差があるので負担はかなり大きくなるだろう。 それに比べれば、日本は戦いやすいグループに入ったと考えていいのではないか。 グループCでは中東の2か国のほうが、東アジアや東南アジア、オーストラリアまでの長距離移動に悩まされることになる。中東諸国は各種大会が中東域内で開催されるケースが多い。日本やオーストラリアの選手のように長距離移動に慣れていないので、かなり苦労することになるだろう。
■最も苦しい試合は「9月のバーレーン戦」
日本にとって最も難しい試合になりそうなのは、やはり中東に遠征してのアウェーゲーム。とくに、開幕2戦目、9月10日のバーレーン戦だろう。 9月は欧州各国のリーグ戦が開幕した直後だけに、欧州でプレーしている選手たちにとってはオフ明けでコンディションがまだ上がり切っていない。中には、移籍直後でクラブでの出場機会に恵まれない選手もいるかもしれない。 そんな状態で、選手たちはまず日本まで移動して9月5日の中国戦を戦い、直後にバーレーンまで移動しなければならないのだ。 直前のリーグ戦が日曜日だったとすれば、日本に到着するのが火曜日。そして、コンディション調整をするだけで、本格的なトレーニングの時間もなく中国戦を戦うのだ。 4年前のカタール大会予選の初戦も、大阪吹田市のパナソニックスタジアムでオマーンと対戦し、0対1でまさかの敗戦となったのは記憶に新しい。 そして、中国戦を終えて長距離移動を経てバーレーンに到着した日本代表は、9月の湾岸地域の猛暑に見舞われる。夏の終わりに当たる9月のバーレーンは最高気温が40度近く、湿度も非常に高い状態だ。
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