堀田茜さんが“モヤモヤする”食材ロスの話を専門家に聞いてみた|CLASSY.
堀田茜が「30代になってなんだか気になる…」と感じるタイムリーな話題を、今会いたい識者に直接聞きに行く連載15回目。この話、ほったらかしにしなくて良かったと思える日が必ず来るはず!
食品を捨てるということはそれを作ったエネルギーも捨てているのと同じなんです
今月のゲストは…料理研究家 島本美由紀さん 【今月の茜のモヤモヤ案件】 物価高と言われる今、誰もが食品の値上がりを感じていると思います。節約をしたい気持ちとは裏腹に、買ってきたものを使い切るって意外と難しい…。我慢したり渋々食べたりではなく、楽しみながら食材を大切に使い切る方法はありますか。
「1.過剰除去 2.直接廃棄 3.食べ残し。これらがないか見直しから始めてみて」(島本)
島本:2つめは直接廃棄。買ったけど使わずに捨ててしまうこと。安さを理由に買ったものの、使わず廃棄してしまうことって多くないですか?たとえば5本入りのきゅうりってお得に見えるからそれを買うのがいいと思いがちだけれど、使いきれなければお得じゃないし、古くなってから食べるとなるとおいしくない。だったらあまり値段差はなくても3本入りにしておくほうが、結局お得だしおいしくていいですよね。 茜:「使う目的は未定だけどとりあえず買っておこう」の気持ちが原因ですよね。私もそうでした。今は冷蔵庫にあるものありきでメニューを考えて、必要なものだけを計画的に買うようになって、それが楽しい。 島本:そうそう。楽しいし、気持ちいいですよね。調味料なんかもそうで、賞味期限切れで捨ててしまうことってよくあるじゃないですか。大容量を買ってしまったがために、というのもよくある原因ですが、開封したら当然味が変わっていくからおいしくなくなるし、体にもあまりよくない。だったら小さい方を買ったほうが、なにかと幸せです。余談ですが、インスタ映えを気にして買った食品や作ったご飯からも食品ロスはあるんじゃないかなと思います。 茜:読者に響きそうな話題…。 島本:今って作り置きも流行ってますよね。週末にまとめて8品とか作って、それを写真に撮ってSNSにアップする人ってよく見ると思うんです。確かにあとあと楽かもしれないけれど、4~5日経ったら味は変わっゃうし、飽きる。きっと家族も食べなくなるんじゃないかなと。 茜:誰でも作り置きすべき、とは言えないかもしれませんね。 島本:映えのためにタピオカドリンクをアップして、ほとんど飲まずに捨ててしまうというトレンドも一時期ありましたね。本当に最後まで食べ切れるかどうか考慮した上で食事はしてほしいと思います。3つめは食べ残し。残ったら冷蔵庫に入れて後で食べようとする人も多いかと思いますが、冷蔵庫の奥に追いやられて、いつの食べ残しかわからなくなっていたら意味がない。一カ月に一度は冷蔵庫の見直しをしてみてください。そうすると、「これはよく残しがち」とか振り返りができて無駄を減らせると思います。 茜:お得とされる食品パックやSNSで見られる作り置きなど「みんなに良さそうだから自分もそうする」じゃなくて、自分のライフスタイルに合わせたものだけを選び取るのが大事ですね。SNSに踊らされて無駄買いをしないように、ちゃんと自分で決めないといけない。 島本:そうですね。食品ロスの削減というと大きく聞こえるかもしれませんが、無理のない範囲で、一人一人ができることをやるだけで十分です。今日明日にでも食べ切るようなものなら手前どりをするとか、割引になっているものを買うとか、そういう買い物の選択もまた、食品ロスをカットする方法のひとつになる。お腹が空いているときにスーパーやコンビニに行かないというのも無駄買いを避けるには大事です(笑)。 茜:あ~わかります(笑)。余計なものをたくさん買っちゃいますよね。 島本:そうそう。という風に、自分でできることを少しずつで大丈夫。それをみんながやればちょっとずついい未来になっていくと思うから。 茜:食品ロスの削減、日常の中で楽しくできるんだってことが読者に伝わればうれしいです。ありがとうございました。