いまバンコク旅の夜に訪れたい、絶景ルーフトップバーと凄腕バーテンダーの隠れ家とは?【2024年最新版】
アートや建築以上に、バンコクがいま世界から注目を集めているのが食文化だ。「アジアのベストレストラン50」の上位を独占するなど、独創的なファインダイニングが急増している背景にあるのは、多様な食文化が融合した地域性と“タイらしさ”の追究だ。本記事では、その中でも特筆すべき3つのレストランを紹介する。 【写真】記事の写真をすべて見る
「バーン・テパ」ーー洗練されたひと皿に息づく、奥深きタイの食文化
バンコクのファインダイニングといえば以前はフレンチやイタリアンが中心だったが、近年はモダンにアレンジしたプログレッシブタイ料理が増えている。背景にあるのは若い世代のシェフによる“タイらしさ”の探求だ。なかでも注目のレストランが、タイ各地の食材や伝統的な調理法を取り入れた「バーン・テパ」。その料理を味わうため、世界各国からバンコクを訪れる人も少なくない。シェフのシュダーリー‘タム’テパカムは、バンコクのフードシーンの変化をどう見ているのか。 「近年、海外で修業経験のあるタイ人シェフや外国人シェフが、タイの地域性や食材の個性を再発見し、それを活かす環境が育ってきました。結果、従来なかったアイデアが誕生し、新たなイノベーションが生まれていると感じます」 タム自身も、ロンドンで栄養学を学んだ後、ニューヨークの人気レストラン「ブルーヒル」で修業した経験を、店づくりに活かしている。たとえば、彼女が同店で食のサステイナビリティに触れたことから生まれたのが、敷地内で育てるオーガニックハーブ農園だ。 「バンコクの中心部に住んでいる人は、食材そのものを見る機会が少ない。農園で育った野菜がどう調理されテーブルに届くのか知ってもらうため、キッチンのバックヤードツアーやガーデンツアーも行っています。他にはない体験として多くの人に喜ばれています」 また、店を語る上で欠かせないのがタイ料理への強いこだわり。 「タイ料理は、北部、東北部、東部、南部、中央部という5つの地域によって、素材や調理法、調味料の使い方が全然違います。店で提供する料理には、各地で私が学んだことが詰め込まれている。料理の中に息づくタイを感じてもらえればうれしいです」