神埼市前市長に懲役2年求刑 ふるさと納税PR事業巡る官製談合事件 佐賀地裁、結審
神埼市のふるさと納税PR事業を巡り、官製談合防止法違反(入札妨害)などの罪に問われた前市長の内川修治被告(72)=神埼市千代田町=の論告求刑公判が1日、佐賀地裁(岡﨑忠之裁判長)で開かれ、検察側は懲役2年を求刑した。弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は28日。 内川被告は最終意見陳述で、「市民の信頼や期待を裏切った。多大なるご迷惑をかけて本当に申し訳ありません」などと謝罪した。 検察側は論告で、内川被告が「首長の地位を悪用した」と指摘。業務委託先を選定するプロポーザル(企画競争)で、親しい関係にあった元業者代表(62)に秘密事項を漏らしたとして「業者が自由に競い合うプロポーザルの公平性を著しく害した」と非難した。 弁護側は、事件で主体的な役割を果たしたのは元業者代表で、内川被告は見返りを受け取っていないことを強調した。漏えいさせた情報は「直ちに選定につながるものでない」とし、市長を辞職したことなども挙げて執行猶予を求めた。 起訴状などによると、内川被告は市長だった昨年2~3月に市が実施したプロポーザルに関し、参加業者の提案書や、非公表の評価委員の氏名を元業者代表に漏らしたとしている。公競売入札妨害罪に問われた元業者代表は懲役1年、執行猶予3年の判決が確定している。(中島幸毅、丸山美陽)