鈴木唯人は大丈夫? リバプールに青田買いされ潰れた逸材6人。アンフィールドで爪痕を残せなかった男たち
FW:ネーメト・クリスティアーン(元ハンガリー代表) 生年月日:1989年1月5日 在籍期間:2007年~2010年 リバプール通算リーグ戦成績:出場なし ハンガリー代表としてユーロ2016にも出場したネーメト・クリスティアーンには、リバプールトップチームでの出番が在籍中の3年間で1試合も回ってこなかった。 MTKブダペストでプロデビューを果たしたネーメトは、06/07シーズンのリーグ戦で25試合12ゴール7アシストの好成績を残す。同時期のU-17ハンガリー代表では9試合11ゴールと無双しており、同世代アタッカーの中でも頭一つ抜けた才能だったといえるだろう。 これらの活躍が認められ、この元ハンガリー代表アタッカーは2007年にリバプールへと加入する。当初リザーブチームでのプレーとなった同選手は、プレミアリザーブリーグの得点王に輝き、そのストライカーぶりを存分に発揮した。同年にはリバプールファンが選ぶリザーブチームのプレイヤー・オブ・ザ・イヤーにも選出されるなど、ファンからの期待も相当だったはずだ。 しかし、彼のキャリアはとんとん拍子にはいかない。当時のリバプールで同ポジションを争う選手には、フェルナンド・トーレスやディルク・カイトなど役者が揃っており、ネーメトにチャンスが訪れることは無かった。2009年にギリシャリーグのAEKアテネにレンタルで移籍すると、2010年にオリンピアコスへ完全移籍。その後はエールディヴィジのローダJCやMLSのスポルティング・カンザスシティなど、様々なチームを転々とし、現在は古巣ブダペストで活躍している。昨季も同クラブで33試合22ゴール11アシストと圧巻の成績を残しているだけに、リバプールに残留していた世界線のネーメトも見てみたかった。
FW:サメド・イェシル(ドイツ出身) 生年月日:1994年5月25日 在籍期間:2012年~2016年 リバプール通算リーグ戦成績:出場なし ドイツの未来、そしてリバプールの将来を担うと目されていたサメド・イェシルの未来は、わずか19歳で閉ざされてしまった。 レバークーゼンのユースに所属していた頃のイェシルは、まさに怪物だった。リーグ戦で71試合57得点、U-17ワールドカップで6得点という圧倒的な成績を残し、あまりの決定力の高さからドイツの伝説的プレーヤーであるゲルト・ミュラーと比較されるほどだった。 これほどの逸材をビッグクラブが見逃すはずがない。リバプールは獲得レースに名乗りを挙げ、2012年にイェシルを獲得。当時在籍していたルイス・スアレスの後釜としてこれ以上ない適任だったといえるだろう。 しかし、ドイツ期待のストライカーに悲劇が襲う。2013年、U-19ドイツ代表の試合中に右前十字靭帯を断裂する大けがを負ってしまったのだ。リハビリを経て復帰した2014年にまたも同じ箇所にけがを負い、1年半以上プレーすら満足にできない状況が続いた。リバプール側も痺れを切らしたのか、2015年にスイスのFCルツェルンへレンタルで放出。2016年の契約満了と共に、イングランドの名門クラブから退団となった。その後はギリシャリーグのパニオニオスやトルコリーグのアンカラ・デミルスポルを渡り歩いたが、目立った成績を残すことは出来ないまま、2020年に母国のリーグに戻ってきた。 今年30歳を迎える同選手は、現在ドイツのアマチュアリーグであるクライスリーガのCSVマラソンに所属している。サッカーだけでは生活できないため、工場で勤務しながらサッカーを続けているようだ。怪我さえなければ、世界を代表するストライカーになっていたかもしれないと思うと、2度の大けがが残念でならない。