泣きながら「自分は見ていただけ」江別男子大学生“集団暴行死”事件から1週間、暴行しながら聞き出した暗証番号で十数万円引き出しか 逮捕された女子大生らの供述や証言からたどる事件の闇
捜査関係者によりますと、八木原容疑者を除く5人のうち数人は「被害者のキャッシュカードで現金を引き出した」「現金を分け合った」という趣旨を供述。札幌市内のコンビエンスストアの防犯カメラには、ATM(現金自動預け払い機)で現金を引き出す様子が記録されていました。 長谷さんに暴行を加えながら、暗証番号を聞き出したとみられ、引き出された額は十数万円に上るということです。
長谷さんのものとみられる衣服やリュックなどは、札幌市内の川から見つかっていることもわかりました。 逃走に使われた軽乗用車は、川村容疑者の釧路市内の実家で見つかっていることから、川村容疑者は、事件後、札幌市内の警察に出頭するまで釧路市に滞在していたとみられています。
◆泣きながら「自分はただ見ていただけ」
八木原容疑者と川村容疑者を知る釧路在住の友人は、2人についてこう証言します。 「亜麻(八木原容疑者)については、どちらかというと彼氏と交際していてけんかになって、電話した時にすごい怒ってるなって。強い口調になっているなというのを見たりしていた」 「(川村容疑者にについては)友達に何かあったら許せないからって。友達のためなら手を出しちゃうって感じで。やれるだけやっちゃう、葉音(川村容疑者)はそういうタイプ」 捜査関係者によりますと、川村容疑者は長谷さんに「八木原に対し、謝ってもらおうと思っていた」という内容の供述をしているということです。
また川村容疑者は、逮捕される前に、友人の母親に次のようなことを打ち明けていたといいます。 「(逮捕前に)泣きながらラインで電話がきたらしくて『自分はあまり暴力を加えていなくてただ見ていただけ』みたいな」
◆「いつまでも明るく優しい人になれるよう頑張ります」
八木原容疑者は8年前、小学校6年生の時に書いた小学校の文集で“20年後の自分”に手紙を宛てていました。 「20年後の私は、何をしていますか?私は将来看護師になり、病気の人やけがをした人をやさしい気持ちで助けたいと思っています。いつまでも明るく優しい人になれるよう頑張ります」 八木原容疑者の中学時代の知人は「自分で誰かのことをいじめようとしていじめられるタイプじゃなくて、ちょっと隅でいる子みたいな、何も意見言えないタイプなんじゃないか」と当時の印象を振り返ります。 「人を助けたい」と夢を語った少女に何があったのか…。 警察は、死亡した長谷さんと16歳から18歳の少年を含む男4人が面識があったのかどうかなど、6人の動機や犯行に至った経緯を慎重に捜査しています。
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