CULTURES!!!×まなつ、対バンの魅力が溢れた一夜。記念すべきGrasshopper第20回公演を見た!【オフィシャルレポート】
2024年1月29日(月)、下北沢CLUB Que。2022年4月に産声を上げ、幾多の若手アーティストをフックアップしてきたぴあ主催イベント『Grasshopper』の記念すべき第20回公演が開催された。 【画像】『Grasshopper vol.20』に出演したCULTURES!!!、まなつのライブ写真(全11枚) 当日に極東飯店が体調不良により出演キャンセルとなってしまい、急遽CULTURES!!!とまなつの長尺ツーマンへと形を変えた本公演。初対面だからこそ互いに全力をぶつけ合い、そして認め合う両バンドの心意気が、観客の拳を自然に上げさせた。対バンの醍醐味をこれでもかと詰め込んだような、ハートフルでドラマチックな一夜の様子をお届けする。 ■CULTURES!!! 急遽ツーマンとなった今回のライブの先攻はCULTURES!!!。佐藤駆(Vo/Gt)の「どうぞよろしく!」という一言からCULTURES!!!らしい爽やかさと疾走感が心地よい「ランナーズハイ」で観客を巻き込んでいく。シンガロングが印象的な「Goodbye my Drive」に続いて始まったのは「DIVE」。佐藤の「飛び込んできてくれてありがとう!」という言葉通り、CULTURES!!!を初めて見る人も多かったが、それでも多くの人が手を挙げ体を揺らしていた。続く「2017」では梅本聖(Gt/Cho)と横山公紀(Ba/Cho)が前に出てイントロから力強く音を鳴らす。サビではテンポを落として佐藤の声がまっすぐに観客に届いた。 出演が叶わなかった極東飯店に触れ、「CULTURES!!!を初めて見る人もいると思うけど、後悔させません」と語ると、そのまま田櫓聡汰(Ds/Cho)が奏でるキャッチーなリズムがクラップを誘う「SPRINT!!!」へ。転がるような勢いそのままに始まった「Blue」では、梅本のソロの後ろで佐藤、横山、田櫓がアグレッシブに動く。続いて、先ほどまでとは変わって、一歩一歩確実に歩んでいくようなテンポの「Journey」から、佐藤の弾き語りで始まる「hikariare.」へ。曲の終盤でテンポが上がり、観客の手が挙がる。 「バンドを長く続けるほど、年を重ねるほど、惨めになると思っていたけど、そうじゃなかったんですよね。信念を持ってちゃんと続けていれば大丈夫です」「俺の歌は、俺やあんたがどん底にいるときに救ってくれると、俺がまず信じています」というMCから勢いよく「Pray for me」へ。「騙されたと思って信じてCLUB Queに来てくれてありがとう!」と歌詞を変え、ギターを掲げる佐藤の姿に心が熱くなる。「ラスト1曲!」「歌え!!」と始まったのは「ぼくらの戦争」。「エレキギターに任しとけ!」と佐藤が叫ぶと梅本がギターをかき鳴らす。「俺らに任してくれ!」の言葉に、CULTURES!!!がいれば、今後何があってもやっていけそうだ、と強く思う。急遽追加された高速の「ランナーズハイ」で、会場の熱気は最高潮へ。「これがCULTURES!!!だ!また会いましょう!」と、最後まで風のように駆け抜けた。 ■まなつ 2番手に登場したのは、町田出身3ピースバンド・まなつ。「やろうぜ!下北!!」といって登場し「旗揚げ」から勢いよくスタート。1曲目から観客は体を揺らし、アリー(Gt/Cho)のギターソロに拳を上げる。そのまま、ほたて(Ds/Cho)の陽気なドラムで「レボデス」に突入。フロアへ身を乗り出し、観客を煽り最高の盛り上がりに。最新曲「アイライブユー」は真っ直ぐなラブソングをいたやボーイ(Ba/Vo)のハスキーな歌声で観客へ届ける。「ロマンチックな曲を」との紹介から始まった「あたたかくなった頃には」。表現が甘くて切ないが、そんな中にもまなつらしさを存分に感じる楽曲だ。 続けて、シンバルのカウントから華麗なスタートを切ったのは「ドロップ」。勢いのあるサビが始まると観客は跳ねながら拳をステージに向ける。3人で目配せをして始まる「光芒」。一言一言に気持ちを乗せるような歌い方が印象的だ。「懐かしい風のように」では「みんないつもありがとう」と観客へ伝え、マイクを握りしめて歌う様子に胸が熱くなった。 MCでいたやボーイが「ただバンドを続けるのではなく、信念を持って、みんなの背中を押し続けたい」と熱く語る。今回対バンが叶わなかった極東飯店への想いも語り、さらにこのスリーマンを見たい気持ちが強まった。弾き語り風に始まり、サビで一気に転調する「赤く染まる日々」、いたやボーイが「あんたのことはあんたが救ってやる人生であれ!」と叫び「ヒーロー」をプレイ。勢い余ってベースのストラップが取れるハプニングに、CULTURES!!!佐藤がフォローに入る場面もあり、会場中が笑顔に。「今のじゃ格好つかないから」と急遽追加で「レボデス」を演奏した。 終演後のアンコールに応え、再び登場し「夢でみたような」を披露。「極東飯店とのリベンジも必ずここ下北沢で!」と宣言し、まなつらしくド派手に締めくくってくれた。 互いが最大瞬間風速を毎秒更新していくような化学反応的ギグとなったGrasshopper vol.20。このイベントで生まれた3バンドのつながりがこれから何かを巻き起こしていく予感がしたのは、きっと私だけではない。それぞれのバンドの活動の先で、いつかこのスリーマンが再び実現することをだれもが願ってやまない、そんな一夜となった。 ■まなつ、CULTURES!!!、極東飯店によるリベンジ公演 『Grasshopper vol.20~Re-jump~』 4月22日(月)下北沢DaisyBar
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