YOWLL

YOWLL主催のライブイベント「YOWLL FES」が10月27日に東京・新宿LOFTにて開催される。 【画像】「YOWLL FES」ビジュアル（他1件） 「YOWLL FES」は、YOWLLと新宿LOFTのコラボイベント。新宿LOFTの歌舞伎町移転25周年を記念して行われる。チケットは、7月15日よりYOWLLのライブ会場にて先行販売され、8月3日にLive Pocketにて一般発売される。 当日はYOWLLが出会ってきた250組を超えるバンドの中から10数組のバンドが集結。出演者は8月より順次発表される。 ■ 新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念 YOWLL & Shinjuku LOFT presents "YOWLL FES" 2024年10月27日（日）東京都 新宿LOFT ■ 森良太（YOWLL / Vo, G）コメント YOWLL FES に寄せて 気がつけばライブハウスで音を鳴らし始めて何年経つのだろう。 最初が16歳の頃だったから、18年くらいか。 タバコ臭かったライブハウスからタバコの匂いは消え、わけも分からずライブの１曲目からドラムにダイブするようなバンドも同じようにいなくなった。 ライブハウスは自分にとって非日常から、いつしか愛すべき居場所へと変わっていた。 時代がみるみるうちに変わっていって、流行りは何周もし、やり方なんてものも変わった。 （さながらトイストーリーのグリーンメン達が天井からぶら下がるUFOキャッチャーを指差したあのシーンのように） 多くのバンドマンがSNSで見つけてもらうことを目指し、それによって得られるものを期待するようになったし、実際その恩恵は大きいと思う。 一方は「音楽で勝負しろよ。」と言い、もう一方は「使えるもんはなんでも使って勝っていく。」という。 どちらも真っ当に自分の人生とバンドと、それからこの世の中を考えての思想だと思う。 ライブハウスの人間は、真正面からバンドと向き合ってもSNSでバズったらすぐに手の届かないところに引っ張り上げられてしまうという寂しさを抱えながら。 バンド達は、この魑魅魍魎渦巻くネットの荒野を切り開く途方のなさに疲れながら。 夢とか、欲望とか、希望とか、なんとか。 こんなに若い奴がバンバン自殺していく国で、みんな生傷絶えない心を守りながら生きている。 そう、みんななんだか近いような遠いようなところにいるから分からないだけで、この時代にたまたま生まれて生きていくことをしている仲間なのだと、勝手に俺は思っている。 だから、こんな時代に音楽を鳴らして生きていっている人間や、それを支える人たちや、聴きにくる人たち、みんな仲良くしようぜ。 なんて思っちゃうのだ。 俺は、人が音楽をしているのを見たり聴いたりするのがとても好きで、自分が音楽をするのもとても好きだ。 ライブハウスは色んな文化に根差している。 原始的な表現の中で、時代や人を反映する鏡なのだと思う。 例えば新宿ロフトも移転してからもう25年が経つらしい。 色んな時代を見てきたあの市松模様のフロア。 名だたるアーティスト達がライブをしてきて、血と汗と涙が染み込んだ場所だと思う。 そんな場所がずっと残ればいいなと思う。 YOWLLというバンドは、なんだかすごくどっちでもいい。売れようが売れまいが、忘れられようが記憶に残ろうがすごくどっちでもいいのだ。ただ毎回、メンバーで音を出すということの奇跡を噛み締めているだけで、それってめっちゃ幸せなことなのだと思う。 いいライブをしたいなーと思うけれど、いいライブというのが何かもいまだによく分かっていない。いい音楽をする友達がたくさんいて、そんな人たちが楽しく過ごせて尚且つそんな友達のいいライブを見たい。そしてそれは全然バーチャルな経験ではなくって、ライブハウスでしか得られないものすごく不思議で特別な経験なのである。到底、家とか通学とか通勤とかそんな時に聴けるような音量じゃない音を身体で聴いて、演奏する人の息遣いや気持ちの揺れを感じながら同じ空間で過ごす。そのバンドのそのメンバーじゃないと出せない音がバンドの数だけ集まってその日を作る。 日本の色んなところでそんな奇跡が毎日起こっているからあんまりみんなそれを奇跡だと思わなくなっているだけで、それは人が生きているということと同じくらい平凡で、またそれとは逆にとんでもない奇跡でもあるのだ。バンドの数だけの、メンバーの数だけの物語があって、それが一つの場所に集まる。ロマンすぎるとは思わないだろうか。 まぁ、そんなわけで、とんでもない奇跡の日を25年間作り続けてきた新宿ロフトの力を借りてYOWLLもまた奇跡みたいな日を作らせてもらうことになった。願ってもない機会である。 YOWLLの短い活動期間の中で出会った濃すぎる人たちを集めてYOWLL FESを開催するのである。順次発表されると思うがめちゃくちゃ最高のメンツが集まってくれることになった。なんかとんでもない日になりそうな予感が凄まじいのである。なので絶対来て欲しい。 やっぱりとても難しいのが、体験は体感しないとわからないということもあって、あのラーメン屋うまいぜ。と言っても食わなきゃなんとも言えないところもあるというのと一緒で来てもらうほかないのである。いつもだったら来たいやつだけくればいいよ。みたいなこと言ってしまうのだが今回ばっかりはまじで来て欲しい。だって、人生変わると思う。それくらいの気持ちで組んだ。みんなオッケーしてくれて本当に嬉しかった。そして、どのバンドもマジで良い。これは自分が体感したから間違いないんだ、ほんとに。 ただ心配なのは、あまりに文章が長すぎてここまでみんなが読んでくれていないことである。最近はみんな短い文章になれすぎていて長文を読めないと聞く。つまり、ここまで読んでいる人は、そもそもはなから来るつもりで読んでくれている場合が大半だと思う。なので、ここまで読んだ人は、これを読んでなさそうだけど良い音楽好きそうな友達に「10月27日、ライブ行かない？」と誘って欲しい。 頼んだ。よろしく。