物価上昇の中で… ポテチ、ワインの“付加価値戦略”【WBS】
メルシャンも付加価値を重視
身近な商品を作る他のメーカーも付加価値を重視しています。東京・麻布台ヒルズにある「インタートワイン ケーエム 山仁」は1本80万円を超えるワインなど高級品を中心に取り扱っています。 海外産の1万円台のものが売れ筋ですが、この高価格ワイン市場で存在感を示そうというのが日本のワインメーカー大手「メルシャン」です。投入するのは日本産の甲州ワイン。通常、甲州ワインの価格は2000円ほどですが、メルシャンが3月に発売した新商品「シャトー・メルシャン 岩出甲州 アミシス」の値段は7000円(参考価格)。3倍以上と強気の設定です。 メルシャン輸入事業本部長の神藤亜矢さんは「いわゆる富裕層や、キャリアを持つ女性がターゲット」と話します。 価格に見合う付加価値をつけるためメルシャンが行ったのは、南米チリの大手ワイナリーとの商品開発です。開発過程では甲州ワインの特徴でもある酸味がチリの人には酸っぱいと指摘されました。アドバイスを受け入れ、醸造の工程で甘みと酸味のバランスを整え、より口当たりの良いものに変えていきました。 「日本で売っていくならこのスタイルでいいかもしれないが、世界に行きたい、グローバルに行きたいとするならばこの酸味はもう少し変えた方がいいとアドバイスをもらった」(神藤さん) 協力先の大手ワイナリーのネットワークを生かし、世界展開を拡大する狙いです。 「シンガポールに出ていこうと思っている。アジアの中でも特に富裕層が多いし、若い人もワインを楽しむ。どのように受け入れられるかにより、その先の国の展開も考えていきたい」(神藤さん) ※ワールドビジネスサテライト