定住意識は進級ごとに上昇 高校生対象のシビックプライド調査、森さん(富山大大学院2年)が市に結果報告【宇部】
宇部市内の高校に在学する生徒を対象にしたアンケート調査で、シビックプライド(まちへの市民の誇り)と将来の定住意識を調べた富山大大学院人文社会芸術総合研究科2年の森豪大さん(23)の報告会が1日、市役所で開かれた。市職員、学生ら30人が調査結果から導かれた考察に耳を傾けた。 森さんは、大学3年からこのテーマについて調査・研究している。アンケートでは宇部、宇部商、宇部工、宇部西、宇部中央の5校の生徒に回答用紙の2次元コードを印刷した調査表を配布。1120件の回答のうち489件を分析対象サンプルとし、既に実施した富山県の高岡、氷見市の調査結果と比較した。 宇部市単体の分析結果としては、学年が上がるに従い定住意識は若干高まり、女性の方がその傾向が強いことを示した。3市の比較分析では、宇部は特に地域参画への意識が高く、その要因としてコミュニティースクールの存在を指摘。「小学生から高校に至るまで地域と関わる機会が多いため、地域への貢献意欲が高まっている可能性がある」と述べた。 定住するつもりがない生徒に最も多かった回答は「宇部に執着がない」だったと述べ、進学希望者のシビックプライドが低い傾向にあるとし、地域への愛着を深めるためには「文化・産業の資源」「公園」「公共交通機関」の魅力を高めることが重要という分析結果を示した。 森さんは「分析結果が少しでも市の政策に生かされたらうれしい」と話した。