防災知識学ぶ「運動会」好評 安曇野市社協が企画 長野県安曇野市
長野県安曇野市の安曇野市社会福祉協議会が、本年度新たに企画した独自の「防災運動会」が住民に好評だ。主に、区や区の防災会、育成会などの主催行事として実施する。年明けの能登半島地震の発生や、異常気象に伴う水害の頻発で、市民の防災意識が高まる中、依頼が相次いでいる。 毛布を使って担架を作り人形を運ぶリレーや、初期消火に役立つ「水パック消火器」で的を倒す競争など各種競技用の道具をそろえ、今春、市内の自主防災組織が集う会合でPRを始めた。災害時に命を守る判断を助ける知識や、避難所で役立つ知恵を集団で学べる大型かるたやクイズなどのゲーム類も用意した。参加者層を踏まえた主催者ニーズに応じて、競技や座学とも組み合わせたプログラムを提案する。 8月に初実施し、以後4件の申し込みを受けた。三郷・中萱地区PTAがこのほど開いた防災運動会には、地区の小学1~6年生46人と役員保護者15人が参加。2時間の日程で、チーム対抗の競技を催したほか、防災マップの確認もし合った。地区長の倉科恵美さん(49)は「助け合いを意識しながら、遊び感覚で楽しく取り組めたのが良かった」と話していた。 同社協が、市内小・中学生とその家族を募って昨年、一昨年に開催した講座「災害・防災塾」を発展させた。事業を担当する山岸久美子主任(63)は、平成26(2014)年の神城断層地震で小谷村災害ボランティアセンターの立ち上げと運営に携わった経験なども踏まえ「社協が福祉支援を通じ蓄積してきたノウハウを還元したい。大人も子どもも地域の一員としてそれぞれの役割を考えてもらうきっかけになれば」と狙いを話す。
市民タイムス