ボーイングの宇宙船スターライナー、初の有人飛行は5月10日以降に延期。Atlas Vロケット第2段の酸素圧力調整弁に異常みつかる。
NASA・ボーイング・United Launch Alliance(ULA)は、月曜日に打ち上げ予定だったCST-100 Starliner宇宙船の初の有人打上げ延期を決定しました。 【この記事の他の写真を見る】 延期の理由は、Atlas Vロケットの第2段部分にある液体酸素の圧力調整弁の動作に異常が発見されたため。 すでに宇宙船に乗り込み、打上げの時を待っていた宇宙飛行士バリー “ブッチ”・ウィルモア氏とスニータ ”スニ” ・ウィリアムズ氏は、延期決定後に飛行士用宿舎へ戻りました。 新たな打上げ日程は、当初は早ければ翌日とも言われていましたが、技術チームがデータを評価する時間を取るために、5月10日以降になるとNASA・ボーイング・ULAは発表しています。 2011年にスペースシャトルが引退して以降、米国はしばらくの間、飛行士を宇宙へ送り出す能力を持たず、ロシアのソユーズに依存する格好になっていました。 そんな状況を打開するため、NASAは商業乗員輸送開発(CCDev)プログラムを2010年より開始し、最終的にSpaceXとボーイングが新型宇宙船の開発のために選定されました。 このうちSpaceXは、2020年よりCrew Dragon宇宙船による有人飛行を開始し、宇宙への人員輸送におけるロシア依存低減に貢献しています。 一方、ボーイングは、2019年12月に実施したCST-100 Starlinerの2度目の飛行試験でISSへドッキングする予定だったところが、ソフトウェアの不具合により中止。 そのほかにも様々な要因によってスケジュールに遅れが生じ、2022年5月に実施した3度目の無人飛行試験の成功を経て、今回の初の有人試験飛行に臨んでいました。 今回みつかった問題が大きく影響することなく、次の試験飛行が問題なく実施されるのに期待したいところです。
TechnoEdge Munenori Taniguchi