プラットフォームとしてのバスケットボールチーム 青森ワッツの挑戦〔前編〕
2023年11月25~26日、青森県のプロバスケットボールチーム《青森ワッツ》主催のイベント〈青森ワッツDAY〉が台湾の新竹県新北市で開催された。同イベントでは、日本企業の出店、青森県産品PRなど、さまざまな催しを体験した現地の来場者が青森を堪能した。青森ワッツは、バスケットボールチームを起点としたスポーツマーケティングプラットフォームの構築するために、海外のプロスポーツチームとの連携を強化している。スポーツを媒介にした国際的なビジネス、教育、文化交流による地域振興を目指す青森ワッツの挑戦とは。〔全2回〕
青森と台湾の意外な関係
2023年11月25日、日本のプロバスケットボールチーム《青森ワッツ》の名前を冠したイベント〈青森ワッツDAY〉が台湾の新竹県新北市で開催された。台湾P. LEAGUE+のプロバスケットボールチーム、新竹ライオニアーズの2023-24シーズンのホーム開幕戦に合わせたものである。 このイベントの主催者である青森スポーツクリエイションは、青森ワッツの運営に加えて、2023年7月には新規事業として新竹ライオニアーズと国際戦略的パートナーシップを締結し、バスケットボールを通じて日台間の「教育・文化・経済」の発展を目指しているという。すでに動き出している具体的な計画は、両チームのホームゲーム会場やイベントでのプロモーション活動を通じて日本企業や青森県産品の海外輸出支援だ。 青森ワッツDAYでは、青森ワッツのスポンサー企業が会場内にブースを構え、両チームの名前を冠したコラボレーション商品の販売や青森県産品のプロモーション、観光客誘致活動を実施した。さらに、青森ワッツのスポンサー企業と、台湾企業とのビジネスマッチングでは、日本企業の販路拡大・国際展開についての熱い議論が繰り広げられたという。 もちろん、盛り上がったのはビジネスだけではない。新竹ライオニアーズの公式チアリーダー〈ミューズガールズ〉と青森ワッツの公式チアダンスチーム〈ブルーリングス〉のコラボパフォーマンス、同チームの寺嶋恭之介コーチによる1on1も大いに会場を沸かせた。 後日談ではあるが、寺嶋コーチのパフォーマンスは、台湾のバスケットボール・ファンたちに感銘を与えたようで、イベント終了後、3時間で同コーチのインスタグラム・アカウントを約1万人の台湾人がフォローしたという。この数字は、台湾におけるバスケットボール・マーケティングのポテンシャルと、〈青森ワッツDAY〉の効果を物語る事実であろう。