「いずれは必ず地上波に復帰する」 民放バラエティ制作者が断言する「松本人志」の今後 まずはYouTubeやABEMAで“地ならし”か
復帰のシナリオ
それでもA氏もB氏も最終的には地上波テレビに帰って来ると断言する。ただし、地ならしが欠かせないという。 「まず著名YouTuberと何度か共演すると見ています。世論の反応が悪くなくなった時点で地上波を考える。地上波に出るのは早くても来年の春ぐらいではないか」(A氏) YouTubeは閲覧者数が限られ、地上波テレビと比べると観る人がはるかに少ないが、その分、ダメージコントロールが比較的やりやすい。松本が口にしたことはエンタメ系活字メディアが報じてくれる。結果的に露出度は極めて高くなる。 B氏は「(インターネットテレビの)ABEMAでの復帰もあるだろう。ABEMAなら出演のハードルは地上波よりかなり低い」と読む。 吉本とABEMAは千原ジュニア(50)が看板番組「ABEMA的ニュースショー」(日曜正午)のMCを務めるなど関係が深い。 地上波テレピへの復帰は動画の次の段階。しかも千葉テレビ(千葉市)やサンテレビ(兵庫県尼崎市)などのローカル局である。動画と同じで視聴者数は少ないが、大きな反発は免れる。サンテレビのある兵庫は松本の故郷でもある。 レギュラー番組への復帰第1弾として最有力視されるのは11日付のデイリー新潮でも報じた「探偵! ナイトスクープ」。準キー局の大阪・朝日放送の制作で、系列のテレビ朝日では放送されていないものの、全国31局でネットされている。 この番組が松本の境遇に適しているのはタイムCM(番組を提供するスポンサーが流す)が存在せず、スポットCM(番組に関係なく流される)に支えられているところ。松本の復帰についてスポンサーに了解を求める必要がない。 とはいえ、視聴者が反発すると、朝日放送全体のイメージが下がる。ほかの番組にも影響しかねない。タイミングを計らなくてはならない。 1日の「探偵ナイトスクープ」は2代目局長だった西田敏行さんの追悼特集を放送した。その中で2019年に松本が3代目の局長を受け継いだシーンを流したところ、それだけで朝日放送には抗議があったという。8日に松本が文春への訴えを取り下げる前でも世論は厳しかった。 松本の地上波テレビへの復帰は性加害疑惑における相手の女性との融和、世論の納得にかかっている。 高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ) 放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。前放送批評懇談会出版編集委員。 デイリー新潮編集部
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