<ボクシング>亀田ジムが新会長での再出発を検討
■亀田ジムが新会長の迎え入れを検討 各種ライセンスの更新が認められず、国内でのボクシング活動のできない亀田ジムが新会長を迎えて再スタートを検討していることが14日、明らかになった。昨年12月3日に行われたIBF、WBA世界Sフライ級統一戦において、IBF王者の亀田大毅が、判定で敗れながら、IBF側の運営ミスで、その王座を防衛したことに関して、ボクシング界が信頼を失うような大問題に発展。JBC(日本ボクシングコミッション)は、一連の問題に関して、亀田ジムの吉井慎次会長と、嶋聡マネージャーが、その責務を果たしていなかったとして、交付していた各種ライセンスの更新を認めなかった。その処分により、同ジムに所属している元3階級王者の亀田興毅、前IBF王者の亀田大毅、WBO世界バンタム級王者の亀田和毅の3兄弟も、自動的に国内ライセンスが失効して国内で試合ができなくなってきた。 ■JBC「選手には罪がない」 亀田陣営はJBCの下した裁定に対して再審議を求めていたが、JBC側は「再審議に値する新事実はなかった」と却下。納得のいかない亀田側は、当初、法廷闘争も準備していたが、そうなれば、3兄弟の国内活動再開の時期に見通しが立たなくなくなるため、法廷に訴える手段は断念し、国内活動再開の道を模索することを優先させていた。JBCサイドも「選手には罪がない。国内で活動を再開できる道筋は残しておきたい」として、3兄弟の他ジムへの移籍、もしくは、亀田ジムに新しい会長、マネージャーを置き出直す手段があることを明らかにしていた。他ジムへの移籍の場合は、「実績を持ち、信頼のおける名門ジムであること」、また新しい会長を据える場合も、「誰かの傀儡(かいらい)としての会長ではなく、実態としてジムの管理、指導を責任を持って行うこと」を条件としていた。 ■元協栄ジムの大竹重幸氏に白羽 亀田ジムは、当初、亀田興毅を新会長に就任させ、規約上、現役選手と会長職の兼任が認められていないため、引退するまでは、代理の会長を立てることで、ライセンス更新の再申請を行う考えていたが、それでは、経営の傀儡であり、JBCに認められない可能性が高いため、JBCが、経験と人格を含めて納得するような新しい会長を探していた。そこで他薦もあって白羽の矢が立ったのが、元協栄ジムの大竹重幸氏(57歳)だ。大竹氏は、元協栄ジムのチーフトレーナーで、30年以上の豊富な経験を持ち、佐藤修、坂田健史という2人の世界チャンピオンを育て上げ、優秀なトレーナーに与えられるエディタウンゼント賞も獲得している。真面目な性格で、長年、名門協栄ジムの“番頭”としてジムを支えてきた。すでに昨秋に協栄を離れていて、亀田ジムの新会長就任に障害はなく、また亀田3兄弟が、以前に協栄に所属して関係もあって、大竹氏は、世界戦のセコンドのサポートをするなど、3兄弟の実力や性格などもしっかりと把握している。亀田ジム側も、大竹氏ならば、スムーズに新会長として受け入れられるようだ。