東京女子医大、子女枠入試の推薦面接で寄付打診…同窓会理事から
文科省は02年10月の事務次官通知で、私大の入学に関して寄付金を収受したり、募集や約束をしたりすることを禁止している。同省大学入試室は「受験生に入学の意思があることを認識したうえで、大学が寄付を受け取るのは望ましくない」としている。
同大は取材に「至誠会に関する事項について回答できる立場にはなく、回答を控える。本法人が特定の個人に対し、寄付を求めた事実はなく、文部科学省の通知に違反しているとの認識はない」などと回答している。
「合否に関わると受け止めるのが自然」
東京女子医大の卒業生の子女枠の推薦入試では、同大と至誠会が受験生の親族から寄付金を受け取っていたことが判明している。読売新聞が内部資料を分析したところ、両法人への入試時期の寄付額は、18~22年の5年間で少なくとも約3400万円に上っていた。
大学入試制度に詳しい田中義郎・桜美林大教授(高等教育)は、「同窓会組織での選考段階とはいえ、大学理事も兼ねる面接官が寄付の意思があるかを聞けば、受験生側は合否に関わると受け止めるのが自然だ。入試の公平・公正さについては、社会の関心も高く、大学として誤解を招かない仕組みが望ましい」と話す。