隠れ糖尿病ってなに?診断基準や気になる症状についても解説
「私ってもしかして隠れ糖尿病なのかな?」 親族に糖尿病の方がいらっしゃる場合や食生活の乱れが原因で、不安に感じたことのある方もいらっしゃるでしょう。 【画像】隠れ糖尿病ってなに?診断基準や気になる症状についても解説 ところが、実際に隠れ糖尿病とはどのような状態なのか、わからない方も多いですよね。 そこで今回は隠れ糖尿病についてわかりやすくお伝えいたします。診断基準や症状についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。 当記事は、独立行政法人労働者健康安全機構 中部労災病院 ・糖尿病内分泌内科 部長 中島英太郎先生にご監修いただきました。執筆はライター 前間弘美(管理栄養士)が担当しました。
隠れ糖尿病とは
隠れ糖尿病とは健康診断などの血液検査では診断されず、糖尿病や糖尿病予備群なのに見逃されている状態をいいます(隠れ糖尿病は正式な医学用語ではありません)。 通常の健康診断では、空腹時血糖値を測定することがほとんどです。 しかし空腹時血糖値が正常でも、食後の血糖値だけ大幅に上昇する方も多いのです。これを食後高血糖や血糖値スパイクと呼びます。 食後高血糖は普通に生活していると気付かないことがほとんどです。そのため食後高血糖の状態は、空腹時血糖値が高くなり糖尿病を疑われるまで続き、糖尿病と診断される頃には症状が進行しているケースが多いです。 ●食後高血糖が体によくない理由 後高血糖が頻発している人は糖尿病になりやすい方といえます。さらに、血糖値の乱高下を長年繰り返すと血管が傷つき、動脈硬化を進行させます。 誰でも食事をしたあとは血糖値が上昇するものです。そして健康な方であればすぐにインスリンが分泌されるので、緩やかに血糖値が上昇したのち、すみやかに正常値に戻ります。 ところが、隠れ糖尿病の方はインスリンの分泌反応が十分でなかったり働きが悪かったりするため、食後に血糖値が急上昇しなかなか正常値に戻らず、血糖が高い状態が続きます。 血糖値の高い状態が続くと血管にダメージを与え、動脈硬化が進行するので、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高めるのです。