シチズン、超積極的「25%自己株買い」の評価が割れる事情
シチズンの大規模自己株買いへの評価が割れている(撮影:風間仁一郎)
「製造現場上がりの社長らしい、株価を目標水準まで上げるための実に“合理的”な施策だ」 とある市場関係者がこう評するのは、時計メーカーのシチズン時計(7762)が2月13日に発表した、発行済み株式数の25%超に当たる最大400億円の自己株買いだ。 発表翌日の株価はマドを開けて急騰。足元の株価は、発表前に比べておよそ3割高い水準で推移している。 だが、今回の自己株買いに対し、市場関係者の間では評価が割れているようだ。積極的な株主還元策を評価する声もある一方で、「資金を使う順序が逆ではないか」という手厳しい声が上がっているのだ。 「会社側は(成長・合理化策に600億~700億円を投じる)計画に変更はないと言うが、ブランド力の向上など時計の成長投資に先に資金を使うべきだ。株主還元は残った資金で行えば良い」と話すのは三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小宮知希アナリストだ。 厳しい評価の背景にあるのは、シチズンの売上高の大部分を占める時計事業に漂う不透明感だ。
本文:2,239文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
吉野 月華