県内雪で一面真っ白、距離感に注意 JAF密着、本社記者ルポ
●出動要請68件、作業車フル稼働 富山の冬はあちこちで車のトラブルを見掛ける。雪に覆われて隠れた縁石に乗り上げたり、側溝に脱輪したりした時、24時間態勢で助けに来てくれるのが日本自動車連盟(JAF)のロードサービス隊員だ。トラブルを回避するにはどうすればよいか。今季初めて県内の平野部でまとまった雪が積もった23日の出動要請は68件(午後3時10分時点)。休むひまなく現場を駆け回る隊員に密着した。(社会部・山崎雄平) 【写真】バッテリーの上がった乗用車を点検する隊員 ●脱輪、乗り上げ、バッテリー上がり 「早朝から出動依頼が殺到しています。1時間以上待ってもらっています」。午前7時半、富山市赤田のJAF富山支部では島田万仁(かずひと)隊長が現場に出ている隊員に割り振っていた。沢越勇介隊員(22)も既に高岡市六家の現場へ向かっていた。軽自動車が住宅地の側溝で脱輪したという。 ●側溝や用水多く 現場に着くと、ちょうど救援を終えたところだった。雪で側溝が見えにくくなっていたらしい。広報担当の佐野寛係長が「富山は側溝や用水が多く、除雪のため、ふたがないこともある。気を付けてほしいですね」と教えてくれた。 富山支部によると、23日の出動要請件数は午後3時10分時点で68件を数え、昨年度の1日平均出動件数44件を上回り、作業車18台をフル稼働して対応した。最も多かったのがバッテリー上がりで35件だった。気温が低いと放電されやすくなるので、運転しなくてもエンジンを小まめに掛けることで防げるという。 午前中、沢越さんに同行し、3カ所の現場を回った。うち2カ所は雪で段差に気付かず後輪が脱輪、もう1件はバッテリー上がりだ。スキー場「イオックス・アローザ」近くの南砺市才川七の林道では、乗用車が積雪のため引き返そうとバックで走行したところ脱輪した。同市野尻の駐車場では乗用車がバックで止めようとして段差から落ちた。 沢越隊員は手際よく車にワイヤをつないだ。車の底が傷つかないように木の板を後輪にあてがい、慎重にワイヤを巻き上げる。 「雪で一面真っ白になっていると距離感が分かりにくい。車から降りて確認するくらい慎重になってほしい」と沢越さんは冬の運転の注意点を指摘した。 高岡市野村では、乗用車のエンジンがかからなくなっていた。「エンジンスターター」と呼ばれる充電器とケーブルでつなぎ電気を通すと瞬く間に直った。依頼した30代男性は「本当に助かります」と胸をなで下ろしていた。 降雪時には一層安全運転を心掛け、隊員のお世話にならないように気を付けたい。