復活Vの西郷真央。フェードからスイッチした曲がり幅の少ない高弾道ドローを放つスウィングをプロが解説【勝者のスウィング】
「伊藤園レディス」で1年半ぶりの勝利を飾った西郷真央。悪天候の中でも最後まで崩れなったスウィングを、みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修が解説。 西郷真央のドライバー後方連続写真はコチラから
フェードからドローへとスイッチし、ショット力を取り戻した西郷真央
約1年ほど前から大きく調子を崩していた西郷選手ですが、蛭田みな美選手とのプレーオフに残り2位で終えた8月の「CATレディス」の後から13位タイ、3位タイ、3位タイ、2位と立て続けに上位でフィニッシュし、あとはパットさえ決まればいつ優勝してもおかしくない状態にまで復活していました。
昨年まではフェードボールを操っていましたが「伊藤園レディス」でも見せていた通り、現在はドローを操りピンを攻めていました。私は今週、桑木志帆選手のキャディを務めていましたので、雨の影響もあり、軟らかくスピードも速くないグリーンコンディションと高い位置に切られたピンポジションのため、ショートアイアンで着弾したボールはバックスピンでピンから離れるシーンを何度も見ていました。 しかし、ドローヒッターに変わった西郷選手のボールはそれほどピンから遠ざかることはありませんでした。そこにはフェードに比べて、スピン量が多くはないドローボールのメリットが見られていました。特に西郷選手のドローボールは、曲がりの幅も少なく高弾道。スウィングを改善する過程で、コントロールの効いたドローへと進化させたことで、持ち前のショット力を取り戻していました。 スタッツを見るとFWキープ率はパー3を除く42ホール中39ホール、パーオン率は54ホール中50ホールと、それぞれフィールド内で2番目の数値を記録していました。さらに飛距離は257.667ヤードで全体の7位と、飛んで曲がらないゴルフを展開していたことがスタッツからも見て取れます。
「CATレディス」で撮影したスウィングを見てみましょう。まずアドレスの姿勢が骨盤から頭まで一直線にとてもスッキリと構えられています。足裏全体が地面に接地し、動き出しから下半身はグラつかずにお腹や体幹をねじりながらスムーズに始動しています。 テークバックの始動からフェースを開かずに上げ、胸の動きと連動しています。そのままねじって骨盤の前傾が変わることなくトップを迎えています。