【MLB】ナ・リーグ87年ぶりの三冠王なるか 大谷、オズナ、マルテの争い 打率はアライズがトップ
第二次世界大戦後、ア・リーグでは1947年のテッド・ウィリアムス(レッドソックス)、1956年のミッキー・マントル(ヤンキース)、1966年のフランク・ロビンソン、1967年のカール・ヤストレムスキー(レッドソックス)、そして2012年のミゲル・カブレラ(タイガース)と5人の三冠王が誕生しているが、ナ・リーグは1937年のジョー・メドウィック(カージナルス)が最後。80年以上にわたって三冠王が誕生していない。しかし、今季は大谷翔平(ドジャース)を含めた3人の強打者が三冠王の可能性を残している。 日本時間8月9日の全試合が終了した時点で、ナ・リーグの打撃3部門の上位は以下のようになっている。 ◆打率 1 ルイス・アライズ(パドレス).303 2 大谷翔平(ドジャース).302 3 マーセル・オズナ(ブレーブス).299 4 ジュリクソン・プロファー(パドレス).298 5 アレック・ボーム(フィリーズ).296 6 ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス).295 ◆本塁打 1 大谷翔平(ドジャース)34 2 マーセル・オズナ(ブレーブス)33 3 ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)29 ◆打点 1 マーセル・オズナ(ブレーブス)88 2 大谷翔平(ドジャース)81 3 ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)80 三冠王に最も近い位置にいると言えるのはオズナだろう。打点は2位の大谷に8差のトップ。本塁打はトップの大谷に1差に迫っており、打率もトップのアライズと.004差だ。本塁打を含む3安打や4安打をマークすれば、あすにも打撃3部門のトップを独占する可能性がある。後半戦は19試合に出場して打率.278、7本塁打、11打点、OPS.929。前半戦に比べると、やや数字を落としているものの、大きくペースダウンしているわけではない。 大谷はしばらくのあいだ、打率と本塁打でトップをキープしていたが、直近2試合で9打数ノーヒットに終わり、打率は2年連続首位打者のアライズに抜かれて2位に後退。本塁打もオズナに1差まで迫られている。大谷が三冠王を狙ううえでポイントになるのは打点だが、デーブ・ロバーツ監督はムーキー・ベッツが故障から戻ってきたあとも大谷を1番打者として起用する方針を明言。大谷が打点を稼げるかどうかは下位打線の頑張り次第ということになる。後半戦は18試合で打率.229、5本塁打、12打点、OPS.866、特に8月に入ってからは6試合で打率.192、2本塁打、5打点、OPS.676と明らかに調子を落としており、復調できないようだと無冠に終わる可能性もある。 マルテは後半戦の19試合で打率.310、10本塁打、23打点、OPS1.132の大活躍を見せ、シーズントータルの数字を一気に上げてきた。決してホームランバッターではないため、本塁打王争いが40本台後半の争いになるとタイトル獲得は難しいが、大谷とオズナの本数が伸びず、40本前後の争いになるのであれば、十分にチャンスはあるだろう。一発の魅力に憑りつかれてしまったのか、8月に入って打率.207(29打数6安打)、5本塁打と打撃が粗くなっているのが気になるところだ。 すでに日本人選手として初の30本塁打&30盗塁を達成している大谷は、三冠王の可能性もあれば、無冠の可能性もあるという状況。打者に専念している今季はいくつの打撃タイトルを手にすることになるのか。ドジャースのレギュラーシーズンは残り47試合。プレーオフ争いの行方はもちろん、タイトル争いの行方にも注目だ。