あなたの「正論」が犯罪に! 中高年男性が「カスハラせずにいられない」怖すぎる理由
「円安?」「国債?」「チャットGPT?」よく耳にするけれど、実際のところ何のことなのか、何が問題なのかわからないまま……そんな今さら聞けないニュースや用語の数々を、どこよりも楽しく、そしてわかりやすくご紹介します!大人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」の吉田くんが新聞記者となって、世の中の経済ニュース・時事用語を基本からていねいに紐解き話題となっている書籍『「鷹の爪」の吉田くんが聞く!経済ニュースと時事用語がめちゃくちゃわかる本』の中から一部を抜粋、編集してお伝えします。 【この記事の画像を見る】 本連載は、好奇心旺盛な「鷹の爪」吉田くんの質問を、先輩であるアカツキ記者が答えていく会話形式で構成されています。今回のテーマは「カスハラ」です。 ● カスハラって何? 吉田くん(以下、吉田):先輩、聞きましたか。好きでもない粕汁をいきなり食べさせる嫌がらせが流行ってるらしいですよ。 アカツキ先輩(以下、アカツキ):全くの初耳だが、これまでの傾向から想像するに「カスハラ」のことを言ってるんだろうな。 吉田:それです、それ。カスジル・ハラスメント。ぼく、あのにおいも味もちょっと苦手なんですよねぇ。 アカツキ:カスハラは粕汁じゃなくて、カスタマーハラスメントの略だ。カスタマーは客、ハラスメントは嫌がらせ。客が理不尽な苦情などで接客する人を追い詰める行為のことをいう。 吉田:あ、よかった。恐ろしさで口の中が粕汁味になってました。 アカツキ:よくないっ。実際にカスハラを受けた人は大きな心理的負担を受けているし、精神障害の原因になるケースだってあるんだからな。 ● カスハラのタイプは8つに分類される 吉田:すみません! で、カスハラって最近よく聞きますけど、いつごろから使われてる言葉なんですか。 アカツキ:カスハラが注目されたきっかけは、流通や小売りなどの労働組合を束ねる「UAゼンセン」という組織が2017年から2018年に、組合員を対象に2回にわたって実施したアンケートだった。回答した約8万人のうち7割が、「客から迷惑行為を受けた」と答える深刻な結果だったんだ。UAゼンセンはカスハラを、長時間拘束型、リピート型、暴言型など八つに分類している。 吉田:ぼくもお店で店員さんにずーっと文句を言ってる人見たことあります。 「能なし!」とか言ってたから、長時間拘束型で、暴言型ですね。店員さん、かわいそうでした。カスハラをする人たちって、なんであんなひどいことができるんですかね。 ● カスハラをした客の4分の3が男性で、9割が推定で40代以上 アカツキ:UAゼンセンの調査では、カスハラをした客の4分の3が男性で、9割が推定で40代以上だった。カスハラに詳しい関西大学の池内裕美教授(社会心理学)によると、本人は「正しい」と思ってやっていることが多く、正義感を振りかざす「世直し型・説教型」、過去の栄光や知識を誇示する「自慢型」、話が論理的で上から目線の「筋論型」のタイプが目立つという。 吉田:おじさんが多いんですね。うちの総統にも注意するよう言っておかないと。 アカツキ:あの格好でカスハラされたら、恐すぎて泣いちゃうか思わず笑っちゃうかのどっちかだろうな……。 ※本稿は『「鷹の爪」の吉田くんが聞く!経済ニュースと時事用語がめちゃくちゃわかる本』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。 ※吉田くんとアカツキ先輩が活躍中のアニメ連載「そもそも?知りたい吉田くん」は朝日新聞デジタルで読むことができます。
「鷹の爪」吉田くん