【未解決】「犯人へのご褒美なのでしょうか」時効撤廃へ…上智大生殺人放火事件の遺族と歩んだ記者
順子さんが殺害された1996年当時、殺人事件の時効は15年でした。2005年に法改正があり、時効は25年まで延長されましたが、改正前に起こった事件は対象ではありませんでした。
森田記者 「話を聞いていて、初めて時効って何だろうとすごく思った」
■遺族の小さな声を、報道で大きな声に…遺族と歩んだ時効撤廃への道
2009年、森田記者が時効の必要性について考える放送をしたいと順子さんの父・賢二さんに伝えると、返ってきたのは驚きの返事でした。「殺人事件の時効をどうしてもなくしたい」と、全国の遺族とともに「遺族の会」を立ち上げる準備をしているというのです。
2月28日。賢二さんたちは殺人事件被害者遺族の会「宙(そら)の会」を設立。 森田記者 「全国の事件のご遺族が集まっているので、それぞれの事件が起きた日にはみんなで現場に行ったりとかして、ビラを配ったりとか」 「宙の会」の訴えに賛同し集まった署名は4万5000通にのぼりました。賢二さんらは殺人事件の時効廃止や未解決事件の時効停止などを求める嘆願書とともに、署名を法務省に提出。 そして2010年4月27日、衆議院本会議で殺人事件の時効撤廃を盛り込んだ改正法が可決されたのです。
森田記者 「ご遺族の皆さんが声を上げて、それが本当に世の中に響いて、声が届いた形で法律が変わったと思っている。遺族のみんなの声を少しでも社会に届ける中で、私たちが報道を続けたことで、小さい声が大きくなった。もしかしたら私たちが少し力になれたのかもしれないなっていうのをすごく感じた」 しかし、時効が撤廃されても今なお順子さんの命を奪った犯人は捕まっていません。警視庁は事件解決につながる情報の提供を求めていて、有力な情報には最大800万円の懸賞金が支払われます。 ◇ 情報提供はこちら 警視庁亀有警察署 柴又三丁目女子大生殺人放火事件特別捜査本部 電話:03-3607-0110(代表)